literatureに関するdeadcalmのブックマーク (10)

  • 中島敦 山月記

    隴西(ろうさい)の李徴(りちょう)は博学才穎(さいえい)、天宝の末年、若くして名を虎榜(こぼう)に連ね、ついで江南尉(こうなんい)に補せられたが、性、狷介(けんかい)、自(みずか)ら恃(たの)むところ頗(すこぶ)る厚く、賤吏(せんり)に甘んずるを潔(いさぎよ)しとしなかった。いくばくもなく官を退いた後は、故山(こざん)、略(かくりゃく)に帰臥(きが)し、人と交(まじわり)を絶って、ひたすら詩作に耽(ふけ)った。下吏となって長く膝(ひざ)を俗悪な大官の前に屈するよりは、詩家としての名を死後百年に遺(のこ)そうとしたのである。しかし、文名は容易に揚らず、生活は日を逐(お)うて苦しくなる。李徴は漸(ようや)く焦躁(しょうそう)に駆られて来た。この頃(ころ)からその容貌(ようぼう)も峭刻(しょうこく)となり、肉落ち骨秀(ひい)で、眼光のみ徒(いたず)らに炯々(けいけい)として、曾(かつ)て進士に登

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    deadcalm 2011/07/03
    読むと辛くなるんだが昔から時々無性に読み返したくなる。李徴の全ての台詞が痛い所に刺さる。いつ読んでも痛い。自分の変われてなさも含めて本当につらい。でも読みたくなる。
  • 日本ペンクラブ:電子文藝館

    物故会員 川端 康成 かわばた やすなり 小説家 1899.6.14 - 1972.5.27 大阪市北区に生れる。 第四代日ペンクラブ会長 ノーベル文学賞 文化勲章 日藝術院会員。 「片腕」は昭和三十八年(1963)八月より翌年一月まで「新潮」に初出。 片腕 「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。そして右腕を肩からはずすと、それを左手に持って私の膝(ひざ)においた。 「ありがとう。」と私は膝を見た。娘の右腕のあたたかさが膝に伝わった。 「あ、指輪をはめておきますわ。あたしの腕ですというしるしにね。」と娘は笑顔で左手を私の胸の前にあげた。「おねがい……。」 左片腕になった娘は指輪を抜き取ることがむずかしい。 「婚約指輪じゃないの?」と私は言った。 「そうじゃないの。母の形見なの。」 小粒のダイヤをいくつかならべた白金の指輪であった。 「あたしの婚約指輪と見られるでしょうけれど、

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    deadcalm 2011/05/20
    有無を言わせぬ迫力のフェチシズム。想像力が凄い。危うく戻ってこれない線を越えそうになるオソロシイ短編。
  • 日本語の呪詛に見られる衆道の猟奇性とその実態

    語の呪詛に見られる衆道の猟奇性とその実態 お は ば り す お う の ぶ さ だ 1.はじまりに 悪いことを悪いと知ろずに用いるのは、それが公けにされてのく、秘密にされておることなら仕方のい事です。しかし、悪いことを知った上で「~デアル。」や、「おる」だけ「イル」に変えたりするのは悪いことと言えます。伏せられておった呪詛を発見し、その上用い続けるのは人道に悖ります。ここで「おる」という表現に固執するのは、「お」にも「お」が執拗に文章中で消されることがいかに不快で精神的に滅入るものかを理解して頂き、「あ」「は」に対する呪術を改める機運を盛り上げ、促したいという意図によるものです。同様の理由から、否定表現を「~のい」とし、意思を表す活用を「~あう」とします。呪詛を知ったうえで、ただ傍観するのは非人道的だからです。 2.ニホン呪詛における4人種 日語というのは呪詛に従ってできております

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    deadcalm 2011/05/01
    アウトサイダー擬似言語学。これだけ強い電波は久々だ!このドメインのトップページを見たら案の定集団ストーカーに悩まされている種の方だった。
  • 田中貢太郎 あかんぼの首

    赤インキの滲んだやうな暑い陽の光があつた。陽の光は谷の下の人家の塀越しに見える若葉を照らしてゐた。若葉の中には塩竈桜か何かであらう、散り残りの白いあざれたやうな花弁があつて、それが青味だつて吹いて来る風に胡蝶のやうにちらちらと散つた。花弁は崖の上の蕗の葉の上にも落ちた。 電車の乗換場の土雨はぬる湯で拭いた顔や襟にまだ滲んでゐるやうな気がした。電車の交叉点の一方は赤煉瓦塀の高い工場になつてゐた。塀に沿うて街路樹の鈴懸の若葉があつた。若葉の枝は狂人のやうに風のために踊つてゐた。黄色に見える土雨はその四辺に佗しい色彩を施してゐた。京子は正午前に行つて来た病院の往きかへりの路のことを浮べてゐた。 京子は重い頭を左枕にして寝てゐた。薄青い電燈の光が掻巻にくるまつた彼女の姿をげんなりと照してゐた。床の中は生暖かで、ほこりのある体をぢつと一所に置いてゐると、その個所が熱ざして来るやうな気持になつた。彼は

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    deadcalm 2010/11/24
    読んだ。夢の中のやり取りに現れる、不条理を自覚しない無邪気さが怖すぎ。
  • 善人はなかなかいない

    ―― 道の脇に竜がいて、通りかかる人びとをねらっている。 むさぼりわれることのないように気をつけなさい。 魂の父の御許に向かうわたしたちは、 竜の傍らを行かなくてはならないのだから。 (エルサレムの聖シリル) お祖母さんはフロリダへは行きたくなかった。親戚が住む東テネシーに行きたくて、なんとかベイリーの気持ちを変えさせようと、ことあるごとにそう言った。ベイリーはひとり息子で、お祖母さんと一緒に住んでいる。いまは卓の椅子に浅く腰かけ、うつむいて、雑誌のスポーツ欄のオレンジ色のページを読んでいるところだ。 「ねえ、ちょっとこれ、見ておくれよ、ベイリー」お祖母さんは言った。「ほらここだよ、読んでみて」立ったまま、片手を薄い腰に当て、もう一方の手に持った新聞を、ベイリーのはげ頭の前で振ってみせる。「自分のことを“はみ出し者”だなんて呼ばせてる男が、連邦刑務所から脱走してフロリダに向かったんだっ

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    deadcalm 2010/08/22
    読んだ。凄い
  • 10/08/19: 日記書きます

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    deadcalm 2010/08/21
    寺山修司の人間くさい一面
  • 風流夢譚

    風流夢譚 深沢七郎 あの晩の夢判断をするには、私の持っている腕時計と私との妙な因果関係を分析しなければならないだろう。私の腕時計は腕に巻いていると時刻は正確にうごくが、腕からはずすと止ってしまうのだ。私は毎晩寝る時は腕からはずして枕許に置くので、針は止って、朝起きて腕につけると針はうごきだすのだ。だから、 「この腕時計は、俺が寝ると俺と一緒に寝てしまうよ」 と私は言って、なんとなく愛着を感じていたのだった。これは腕時計が故障しているので時計の役目をしないことになるのだが、それでも私は不便は感じなかった。私と同居しているミツヒトという甥は機械類が好きで、時計も高級なウエストミンスターの大型置時計を置いてあるからだった。 数ヵ月前のことだった。 「そんな役に立たない腕時計は」修繕した方がいいじゃァないか」 と弟にすすめられて、弟の知りあいの時計屋さんに持って行ったことがあった。

  • 国立国会図書館デジタルコレクション

    『和洋四季弁当料理の数々』 大正時代に刊行された、女学校での実習用兼家庭用のレシピ集です。左の画像は「お花見辨當獻立」を参照して国立国会図書館職員が作ったもの。 第26回関西館資料展示「お!べんとうの」 では書も含め、歴史や産業など多様な切り口から、弁当に関する・雑誌100点を展示しています。(展示期間 2019年8月22日~10月15日) 2019-06-24 国立国会図書館デジタルコレクション利用者アンケートを実施しています。より良いサービスとするため、ぜひご意見をお寄せください。(実施期間:2019年6月24日~9月27日) ※このアンケートは有限会社ディアイピィの「DIPSurvey」サービスを用いて実施しています。 2019-07-25 図書、雑誌、古典籍、博士論文コレクションの公開範囲ごとの収録タイトルリストを更新しました。 オープンデータセット 国立国会図書館デジタルコ

  • The 10 Baddest Mothers in Movie History

    deadcalm
    deadcalm 2010/05/10
    おもしろかった絵本 (via http://twitter.com/ofellabuta)
  • 内田百閒の短編「豹」を漫画っぽくしました。その際描きやすいように原文を少し省略しつつ描いてます。 出典は筑摩書房の「ちくま日文学全集 005 内田百間-1889‐1971-」です。 白黒ですが1ページだいたい80k前後あるので多少重いです。

    deadcalm
    deadcalm 2008/03/27
    内田百閒の短編のweb漫画 超素晴らしい!
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