出会い系の売春で食いつなぐ少女たちを取材してきた著者が、シングルマザーを取材対象に選んだことは意外な感もあったが、「貧困」という同じ根でつながっていた。出会い系を利用していた30~40代の女性の多くは子どもを抱えたシングルマザーだったという。本書では著者が出会い系に直接アクセスして知り合った約20人の「売春するシングルマザー」たちへの取材を重ね、貧困の最底辺を描いている。 「働いても貧困から抜け出せない」 母子世帯を取り巻く環境は厳しい。母子家庭の貧困率は5割を越え、就労による収入は平均181万円で、所得は全世帯の半分を下回る。その5割以上が非正規雇用だ。 「努力が足りない」、「もっと働け」。そんな声も聞こえてくる。だが、働いても貧困から抜け出しにくいことはデータが物語る。 “経済協力開発機構(OECD)のデータ(10年)を基に各国を比較すると、就労していないひとり親世帯の相対的貧困率は米
![売春にハマる、最貧困シングルマザーたち](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/67c0eaf860d874e16b1a092dc2ee2a5952e3947d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F4%2Fc%2F1200w%2Fimg_4c70732a2627a22befc431372f446e2a1432334.jpg)