ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は12日、キリスト教初期に存在した女性聖職者を復活させる可能性について検討委員会を設ける考えを示した。 バチカン放送(電子版)が伝えた。法王はバチカンで開かれた会合で女子修道院長ら約900人からの質疑に応じた。会合は非公開で、法王は約1時間半にわたり質問に答えたという。 カトリックは女性の聖職者を認めていない。法王は、キリスト教初期の教会には女性の助祭(司祭の下の職位)が存在したと指摘。「彼女らの役割ははっきりと理解されていない。疑問を研究する委員会を設置することは有益だ」と述べたという。ただミサで説教を行うのは「キリストの代理として」の男性司祭の役割だとの考えを示した。 法王は、社会の実情に合わせて、教会における女性の役割を拡大することを目指している。女性助祭の復活はこれまでも教会内で議論されてきたが、保守派の抵抗で実現していない。(ローマ=山尾有