将棋の現役最年長棋士・加藤一二三九段(77)が20日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第30期竜王戦6組昇級者決定戦の高野智史四段(23)戦に敗れ、現役引退が決まった。 最後まで加藤流を貫いた。20社約50人の報道陣が見守る中、長く締めたブルーのネクタイ姿で入室。敷かれていた座布団が気に入らなかったようで、自ら交換してから着座した。昼食はトレードマークの鰻重に舌鼓を打ち、おやつには6ピースのカマンベールチーズをわずか数分で完食した。夕食は天ぷら定食に冷やしトマトを注文した。 険しい顔で気合十分で臨んだ最後の一局は中盤で形勢を損ねて劣勢に。夕食休憩後の午後8時10分すぎに投了し、63年間の現役生活にピリオドを打った。 加藤九段は1940年、福岡県稲築町(現・嘉麻市)生まれ。棋士養成機関「奨励会」在籍時の54年に14歳で四段(棋士)昇段。史上初の中学生棋士となった。14歳7か月の昇段は昨