科学観測やローバーでは大きな成果 前回の記事で報告したように、SLIMは着陸後に、太陽電池からの発生電力が得られていない状態だった。そのため、あらかじめ用意していた異常時の対応手順通り、ただちにデータの取得を開始。ピンポイント着陸技術で重要となる航法誘導に関する技術データ、降下中および月面での航法カメラ画像データなどは、全て取得することができた。 その後、1時50分から45分間、「マルチバンド分光カメラ」(MBC)による科学観測を行った。通常は35分程度で333枚の撮影を行う予定だったが、送信機の温度が上がってきたため、15分で打ち切ったものの、257枚の取得に成功した。必ずしも完全ではなかったとは言え、今後の科学的成果が大きく期待できるだろう。 マルチバンド分光カメラの観測画像を合成したもの。観測対象となる岩石には、犬の名前が付けられている (C)JAXA、立命館大学、会津大学 そして2