『電子雑音』3号(1999年)が出てきたのでパラパラと読み直す。デンザツはMSBRの田野幸治が編集していたノイズ専門誌で、田野さんが亡くなってから出なくなってしまった。結局モノは情熱を持った一人によって作られるのであって、手伝いが何人いようとも無駄なようだ。それはさておき、3号の編集後記にこんなことが書いてあった。 今回遂に1000部作ってしまいました。ノイズ聴く奴なんかそんなに居ないから300ぐらいだろと思って始めたところが、予想外の反響。これは嬉しい悲鳴と言いたいところだが、相変わらずノイズ系のCD・レコードはそんなに売れないという。なのに電子雑音を買う人は増えている。どういう訳なんでしょう?先日、田舎に帰った時に現代音楽に詳しい知人が興味深い話をしてくれました。かの武満徹は、CDは売れないのに本を出したら飛ぶ様に売れたという。また、最近の人たちは小説は読まずに評論を読んで作品の情報を