裁量労働制を適用された社員が相次いで労災認定されていた大手電機メーカー、三菱電機の本社(東京)が、裁量労働制を廃止する3カ月前に厚生労働省の立ち入り調査を受けていたことがわかった。これは、違法な長時間労働や過労死が複数発生した企業の社名を公表する仕組みの中で、企業名を公表する一歩手前の段階の調査だった。 いまの企業名公表制度は2017年1月に始まった。違法残業や過労死などが2件あった後、厚労省が全社的に立ち入り調査を実施し、労務管理の改善状況を確認。その後、再び問題が起きた場合は企業名を公表する仕組みだ。 関係者によると、三菱電機では昨年9月、エアコンや冷蔵庫などを手がける静岡製作所(静岡市)が、10人以上の社員に月80時間を超える違法残業をさせたとして、静岡労働基準監督署(同)から是正勧告を受けた。さらに、通信システムなどの開発を手がけるコミュニケーション・ネットワーク製作所(兵庫県尼崎