本研究成果のポイント ○単色光のオン・オフだけで磁性をすばやく制御することに成功 ○放射光を用いた電子分布解析で、新しい光スイッチングの起源を解明 ○液体窒素温度程度の汎用的な低温環境での光スイッチングに成功 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、財団法人高輝度光科学研究センター(以下JASRI、吉良爽理事長)、国立大学法人筑波大学(岩崎洋一学長)、独立行政法人科学技術振興機構(以下JST、沖村憲樹理事長)と共同で、鉄と軽元素(水素、炭素、窒素、硫黄)からできているスピンクロスオーバー錯体と呼ばれる化合物において、液体窒素を用いた簡易な冷却温度環境で、単色の可視光のオン・オフだけで磁性を自在に制御することに世界で初めて成功しました。また、この新しいタイプの光スイッチング現象の起源が、物質の構成元素の中で磁性を担う鉄と窒素との結合の強さによることを、放射光の解析で得た電子密度分布をも