参議院選挙が終わってから、社会保険庁の年金記録問題への世間の関心はやや薄らいできたような気もするが、我が家では、ある出来事がきっかけになって、つい先日まで社会保険庁のシステムがたびたび批判の的になった。正直に言ってささいなことだったが、この経験を通して「顧客と接する情報システム(業務プロセス)の設計が甘いと、顧客には大きな不満が残るのだな」ということが実感できた。 まず、社会保険庁のシステムを巡り、我が家で起こった“ある出来事”について説明しておきたい。筆者の妻は国民年金に加入している。年金記録問題が取りざたされているのをテレビなどで知り、自分の年金加入記録が正しいのか気になったようだ。加入記録は社会保険庁のWebサイトで閲覧できるが、そのためには専用のIDとパスワードを社会保険庁に発行してもらう必要がある。そこで妻は、同庁のWebサイト上でIDとパスワードを申請した。 しかし、申請時に入