データをバックアップしたり,持ち運んだりする際には,各種記録メディアを使うことが多い。業務利用の場合には,それらに個人情報や機密情報など重要な情報を収めることも少なくない。記録メディアを処分する際には,情報漏えいが起きないように十分注意する必要がある。不用意に捨てると,悪意を持つ第三者に中身を読み出されてしまう恐れがあるからだ。 処分に際して,一般にはデータ消去ソフトを使ってデータを読み出せなくしたり,廃棄業者に依頼して記録メディアを裁断したりする。こうした方法は安全なものの,相応の手間やコストがかかる。もっと手軽にデータを破壊できないものか。 それを調べるため「テープ・カートリッジ」「CD-R」「USBメモリー」の3種類の記録メディアを対象に「水没させる」「損傷させる」「加熱する」という作業を施し,データを読み出せなくなるかどうか検証した注1。その結果,テープ・カートリッジは損傷や加熱に