――その冒険は無謀だったのでしょうか――? 沈没したタイタニック号の「観光」のために潜航を行っていた小型潜水艇タイタンの事故。日本で深海潜水艇に二度搭乗し、潜航そのものを取材した貴重な経験をもつジャーナリストの山根一眞氏に、自らの潜航体験と科学的な見地をもとに、なぜ事故が起こったのかについて寄稿してもらいました。深海潜航の実際を解説しながら、タイタン捜索を検証してみたいと思います。 「深海に行った人は宇宙飛行士より少ない」 深さ3800mの深海に沈むタイタニック号の現場を目指し、潜航していた小型潜水艇タイタンが消息を絶った。世界が報じ続けている事故だが、深海への潜航は宇宙に行くのに匹敵する困難があり、「深海に行った人は宇宙飛行士より少ない」と言われることもあり、また深海潜水艇は世界に100隻ほどしかないためその世界を知る人はきわめて少ない。 そのためだろう、この事故の報道は隔靴掻痒(かっか
![「タイタニック号 沈没現場ツアー」の「潜水艇事故」は、じつは起こるべくして起こったといえるワケ(山根 一眞)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6f4bb18bd27f65056eda641b0c6198bdede3bb66/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F7%2F9%2F1200m%2Fimg_79729673388c857def08d737245428e7320160.jpg)