鹿島、メルカリへの身売りに至った3つの背景。子会社化に見る新たな潮流、さらなる成長戦略とは? 鹿島アントラーズがフリーマーケットアプリ大手の株式会社メルカリの完全子会社となることが7月30日に発表された。同日に行われた会見で株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー庄野洋代表取締役社長は「変わるべきものはしっかりと変えていかなければならない」と話している。鹿島の経営権譲渡に至った裏側では、Jリーグを取り巻く環境の変化や、日本製鉄という企業の性格が影響している。(取材・文:藤江直人) 鹿島アントラーズの強化の最高責任者を実に1996年から務め、常勝軍団へと育て上げた鈴木満常務取締役強化部長が、表情を引き締めながらこんな言葉を残したことがある。 「次のシーズンで優勝すれば理念強化配分金が入ってくるし、そうなればまた投資というものが可能になり、いいサイクルが生まれていく。勝ち組と負け組がはっきりと分か