評価:☆☆☆☆☆ 残念なことに、中東で、南アジアで、南アメリカで、アフリカで、テロや紛争に関する悲惨なニュースが絶えることなく報道されている。その度に、我々は南北格差や危険な独裁者、民族や宗教を背景にした対立構造について解説を目にすることとなる。 しかし、著者はこれら民族や宗教、貧困が悲劇の真の原因ではない、と喝破する。では何が原因なのか。その答えとして挙げられるのが、ユース・バルジ。 この聞きなれない言葉は、戦闘能力の高い15~25歳の青年層を示す言葉である。ユース・バルジが人口の30%を超えると、自爆テロや内戦の恐れは一挙に高まると著者は指摘する。 ユース・バルジが30%を超えるとなぜ、テロや内戦が起こるのか。それは、人口比率を考えてみれば答えが見えてくる。即ち、ユース・バルジの占有率が高いということは、一組の夫婦が産む子どもの数が多い、ということ。それは直ちに、次男、三男以下の男達が