真相解明を封じる身勝手な幕引きは許されない。 学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざんに関連し、自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さんの妻が国などに損害賠償を求めた訴訟だ。これまで争う姿勢を示してきた国が、一転して全面的に請求を受け入れ裁判を終結させた。 妻が提訴したのは赤木さんが死に追い込まれた原因と経緯を知るためだった。賠償請求額を1億円以上と高く設定したのも、国が一方的に終結させることを防ぐ狙いがあった。 突然の幕引きに「一番ひきょうなやり方で裁判を終えられてしまい、悔しくて仕方がない」と憤るのは当然だろう。 国は主張を転換した理由として「自死されたことへの責任は明らか」などを挙げるが、十分な説明になっていない。 赤木さんが改ざんの経緯を記した「赤木ファイル」については、裁判所から提出を促されるまで1年以上にわたり、存在の有無すら明らかにしなかった。不誠実な対応を続けてきただけ