私が社会人になって、最も習得に時間を要したスキルは、間違いなく「言い方」だったと思う。 といっても、尊敬語とか謙譲語といった、「マナー研修」で学ぶような、言い方のスキルではない。 そういった「表層的な言葉の使い方」は、社会人になって半年もすれば、自然と身につく。 そうではなく、私が習得に苦労したのは、端的に言うと「敵を作らない言い方」だ。 ベテランコンサルタントに苦笑いされる 私が所属していた部門では、頻繁にコンサルタント同士の「勉強会」が開かれていた。 当時の私のボスは、この勉強会を「ベテランも若手も、忌憚なく発言する場」と位置付けており、「しこりを残さない」という前提のもと、自由な発言を推奨していた。 だから、社会人になって2年目くらいだった私は 「この場では、言いたいことを言ってよいのだ」 と、その言葉を素直に受け取った。 また、その勉強会は、とある「国際規格に関する文書」を読み込ん