米紙ワシントン・ポストが中国軍のハッカーが日本政府のコンピューターシステムに侵入し、防衛機密情報にアクセスしていたと報じた問題について、浜田靖一防衛相は8日の閣議後会見で「個別具体的なサイバー攻撃やその対応を明らかにすることにより、対応能力などを明らかにすることになる」と述べ、詳細について言及を避けた。 浜田氏は「我が国と米国は平素から様々なレベルで緊密にやりとりをしており、詳細については事柄の性質上お答えを差し控えるが、防衛省が保有する秘密情報が漏洩(ろうえい)したとの事実は確認していない」とも語った。 同紙によると2020年秋、米国家安全保障局が中国軍のハッカーが日本の防衛機密を扱うネットワークに侵入したことを発見。トランプ政権(当時)のポッティンジャー大統領副補佐官らが当時の防衛相と協議し、米側は「日本の近代史で最も大きな被害を与えるハッキングになった」と伝えたという。(高橋杏璃)