十時間 萩尾望都/原作・長嶋有 北国で母と妹と暮らす小学6年生の連。彼女らが暮らす「社宅」は、人よりも猫の気配が色濃い。姉妹は毎日大好きなテレビを見ながら母の帰りを待つ。しかしその日は何か様子が違っていた。
植物学者・牧野富太郎の学歴は小学校中退。それもあって東大助手となりながら歴代の上司である教授たちから冷たく扱われてきた。研究者の俵浩三は「牧野は自分を助手として正式採用してくれた松村任三教授とも円満な関係を築けなかったが、不撓不屈の実力主義で研究を続けた」と書いている――。 ※本稿は、俵浩三『牧野植物図鑑の謎』(ちくま文庫)の一部を再編集したものです。 矢田部の後を継いだ松村教授は牧野を助手として採用 矢田部良吉の後をついで東大植物学教室の教授となったのは松村任三である。松村は牧野の実力を高く評価しており、『日本植物志図篇』を「日本帝国内に本邦植物志図篇を著すべき人は牧野富太郎氏ひとりあるのみ」と激賞してくれた。そこで明治26年(1893)、松村は牧野を助手に採用した。牧野はここで初めて部外者でなく、大学組織の正規の一員となったのである。 松村は安政3年(1856)常陸国(茨城県)の生まれ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く