ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士は、独自の創造論を追求した人でもあり、創造論関連の著作を多数世に公開している。本稿では湯川博士が提唱した「同定理論」について解説するとともに、同理論を基礎とする「等価変換理論」について説明する。 湯川博士が注目した類比のパワー 湯川秀樹博士は1907年に東京で生まれた。父親はのちに京都大学教授になる小川琢治である。したがって「小川秀樹」が本名で、結婚後に妻の姓である「湯川」を名のるようになる。 28歳になる1934年に、湯川博士は「中間子理論」に関する論文を発表する。当時、原子の中には原子核があり、さらに原子核の中には陽子と中性子が存在した。しかしこの陽子と中性子がなぜバラバラに分解しないのか、その理由はわからなかった。 この謎に対して湯川博士は、陽子と中性子の間に「中間子」が存在すると考えた。その上で陽子と中性子はこの中間子をキャッチボールすることで