「技術者の理想郷」だったソニーの原点と夢、そして現在2010.03.10 20:006,724 福田ミホ まずは炊飯器の話から、にしましょう。 ソニーを理解するには、創業者の井深大と盛田昭夫を知るのが近道です。二人ともすでに亡くなってしまいましたが、彼らがソニーを率いていた時代、そしてその気まぐれとも言える経営スタイルが、今日のソニーのモデルを築いたと言っていいでしょう。たとえそうした過去が、ソニーの進化を遅らせていたとしてもです。 続きで、井深と盛田、そしてソニーの足跡を振り返ってみます。 初期のソニーにはぎりぎりのとんでもない逸話がたくさんあります。第二次世界大戦後、日本はインフラを再構築しているところでした。軍需工場で使われていた電気は必要がなくなり、供給過剰状態にありました。井深氏と盛田氏はこれに目をつけて、電気炊飯器と電気ざぶとんを市場に売り出したのです。 それはもうひどい商品で