新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神戸・ポートアイランドに整備中のスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」を活用し、電車の中や室内でせきやくしゃみの飛沫(ひまつ)が広がる経路をシミュレーションする取り組みが始まった。走る自動車の周囲の気流をスパコン「京(けい)」で予測した理化学研究所計算科学研究センターの坪倉誠チームリーダー(神戸大教授)らが企画。迅速に分析して、データに基づく提言につなげたいとしている。(霍見真一郎) 【写真】新スーパーコンピューター「富岳」 理化学研究所は現在、複数の新型コロナウイルス関連研究に対し、整備中の富岳を優先提供している。坪倉氏によると、飛沫経路を予測するのは、通勤電車とオフィス、教室、病室。 これまでも、外気の出入りがない部屋でくしゃみの飛沫の広がり方などをシミュレーションした例はあるが、窓を開けたときの気流の変化なども考慮した詳細な計算は初めて。富岳の高