とはいえ、これだけで利益率50%超は達成できない。脅威の利益率にはいくつかの要因がある。自前の工場を持たないファブレス経営を徹底していること。製品の研究開発と営業に集中して、実際の生産は他社に委託しており、低原価、低コストを実現している。 製品の研究開発力が競争力の源泉との見方も強い。同社の新製品は7割以上が「世界初」か「業界初」。木村氏は「外部の人から営業力が強さだと指摘されるが、研究開発力が何よりの強み」と話す。 営業は結果ではなくプロセス重視 ただ外部の声として圧倒的に多いのは、「営業ノウハウがすごい」(国内証券アナリスト)という指摘だ。キーエンスに約20年在籍し、現在も機械業界で活躍するOBのA氏は、「キーエンスの本当の強みは製品開発とその製品を売るときの戦術にある」と明かす。 「『世界最速』など製品のコンセプトがしっかりしているので、製品を説明しやすい。営業マン個人のメリットも、