入門から16年にして、通算500勝を達成した。 平幕の琴恵光(31=佐渡ケ嶽)が、カザフスタン出身の新入幕、金峰山をすくい投げで5勝目を挙げた。「しっかり先手を取り、自分らしい動きのある相撲ができた」と納得の表情。節目の白星に「今までやってきたことがつながっているのかな」としみじみと話した。 宮崎・延岡市の実家はちゃんこ店を営み、祖父は元十両松恵山。亡き祖父を追いかけるように、中学卒業と同時に佐渡ケ嶽部屋へ。上京する際に最寄り駅は見送る級友でごった返した。学校を早退して駆けつけた高校生の姉は人知れず泣いた。母の柏谷多美さん(59)は厳しい相撲界に送り込むことを心配していたが、最後は背中を押すしかなかった。「何をするにも迷うタイプのあの子が、相撲界でチャレンジしたいと言って揺るがなかったの」。 14年九州場所で新十両。その後幕下陥落と苦渋を何度も味わってきたが、愚直に稽古を続けた。18年名古