自民党総裁選はアジア外交が一番の争点だ。麻生太郎氏と谷垣禎一氏は立て直しを訴えるが、安倍晋三氏から明確なメッセージが聞こえない。大事な外交論争だ。すれ違いに終わらせてはならない。 麻生氏は二十一日、正式に出馬表明した。記者会見で「一つの問題で首脳会談ができないのは異常だ。ゆがんだ形を断固直していかなければいけない」と強調した。 現職の外相が言及しなければいけないほど、小泉純一郎首相の靖国神社参拝がもたらした日中関係の行き詰まりは深刻だということだ。 麻生氏は“トゲ”になっている靖国問題については、総裁選の争点にすべきでないと主張する。日中関係の改善に意欲をみせるのはいいが、中途半端さは否めない。 その点、先に出馬表明した谷垣氏は明快だ。「第一にアジア外交を立て直さなければならない」と訴え、中韓両国首脳と直接意見交換できる「アジアホットライン」の構築を公約した。自らが首相になったら参拝は控え