最近「自由」が流行っている。 もっとも、若手人文系学者界隈でだけ、だが。 さて本書も、期待される若手人文系学者のひとりに数えられるだろう著者が「自由」について論じた一冊で、「自由」という理想が戦後どのように変遷してきたかを、象徴的なサブカルチャー作品を節目に置くことでコンパクトに概観したものだ。 象徴的作品(存在)として置かれているのは、田村泰次郎『肉体の門』、デフォー『ロビンソン・クルーソー』、岡林信康、『あしたのジョー』、尾崎豊、『エヴァンゲリオン』などで、それぞれの作品(存在)で求められていた「自由」という理想の内実を、同時代の思想とシンクロさせ読み解くというのがアプローチの基本線である。 終戦から現在までを5つの章で区切り、各章でそれぞれの時代の「自由」のあり方が論じられる。簡単にまとめると、 終戦直後=「エロスの解放」(『肉体の門』×坂口安吾『堕落論』) 1940-60年代=「市
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