栗の木 山間に住んでいても 昼間は汗びっしょりになる。 数年前まで 夏の間に一週間ほど扇風機を使えば いつの間にか 秋になっていた。 まだ色のついていない 赤とんぼがスイスイと飛び 小さな黄緑の毬栗(いがぐり)が アスファルト道路の脇に落ち 紅葉の木の下 竹とんぼのような紅葉の種が 沢山落ちている。 そして 辺りを見渡せば 山の木々 「小屋」の周りの木々 通りすがりに見た 栗の木も 弱い風に吹かれて 葉裏を見せて揺れる様は すでに 秋の風情。 穏やかな秋が訪れるのを 願うばかりだ。
![すでに 秋の風情 - ururundoの雑記帳](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/3415846c6ffe59e7d9d68c05e230a4de146bf13a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FU%2FURURUNDO%2F20240730%2F20240730011146.jpg)
日本は小さな島国だが 昨今の災害の多発には 目を覆いたくなる。 ニュースで心を塞いだ後に「小屋」の外に出ると なんと楽しそうな雲が 西から東へと流れて行った。 いつもズボンのポケットに入れているスマホで 「この時」を閉じ込めた。 やっと 膝の腫れが引いた。 丸太状になった足を見た時は どうなるんだろうと心が折れた。 今 普通に歩ける楽しさと安心感。 少しずつ ウォーキングを始めよう。 熊の出没の噂を聞く。 用心しながら ぼちぼちと。
エゴの木の実 雨の合間にエゴの木を見上げたのは 土の上や木の年輪の台の上に 沢山の灰緑色の小さな実が 落ちていたからだ。 アイボリー色の花びら 黄色の蕊の エゴの花が満開だったのは ついこの間。 毎日の雨で 「小屋」の周りの緑は美しさを通り越し どの木も 草も 花の葉っぱも わさわさと好き放題に手を足を伸ばしている。 地面に這うように育っていた タイムの緑の葉は 茶色く廃れて 見る影もない。 酢で消毒をしたと思っていた 木の杓子やヘラは 三日も保たず 又黴で覆われ使う度に洗う。 一週間前に膝を痛め 少しずつ良くなっては来ているが 左足を引きずりながら そろりそろりと歩く身には なんとも鬱陶しい梅雨の日々だ。
黒すぐりの実 去年のいつだったか 黒すぐりの枝をチョキチョキと切った。 葉っぱも 花も 実も寂しいのが気になったから。 そのお陰か 今年は葉の色も美しく ふさふさと波打つような姿になった。 小さな花から 黒い実が沢山付いた。 久しぶりに 両手のひらにいっぱいの実をとった。 木の鉢に入れ テーブルの上に置き完熟を待とう。 そして 白い琺瑯のミルクパンで 砂糖を沢山加えて炊こう。 丁寧にアクを取り 煮詰めて照りが出たら火を止め 熱いうちに 白い陶の蓋物に入れ こんがりと焼き バターを塗ったパンの上に たっぷりと 黒すぐりのジャムを 載せているシーンを思い浮かべる。 窓から朝の光がさし テーブルの上のカップから ミルク紅茶の湯気が ふんわりと立ち上る。 そんな事も。
4日土曜日 京都シネマまで 映画を観に行った。 山から下り 京都まで映画館に行くのは 京都に住んでいた頃のように 買い物のついでに というわけにはいかない。 だから 一年に2〜3回ほどの映画鑑賞となる。 「悪は存在しない」 監督は濱口竜介。 なんの前知識もなく ミニシアターの 通路側後部シートに座る。 『長野県水挽町。代々そこで暮らす男と小学生の娘。 その暮らしは 水を汲み、薪を割るといった 自然に囲まれた慎ましいもの。 ある日 近くにグランピング場を作る 計画が持ち上がる。 それは環境や水源を汚しかねない ずさんな計画で・・・』 と チラシに書かれている。 筋書きだけだと 開発業者と地元民の対立だが 重奏音の音楽 自然の怖さを感じさせる映像 笑わない地元民達の表情が 何かあると観ている者に思わせる。 映画館から出て歩いている時や 電車の中 私は難解なラストの意味を考えた。 今でも ふと考
八重咲き水仙 道端のあちらこちらに 群れて咲いている 黄色の八重咲水仙を 7、8本手折り 持ち帰り 白い花器に投げ入れた。 その花達もやがて萎れ 「小屋」の中の高い場所に 紐で結えて吊るした。 やがてそれは しっかりと乾き 薄い花びらを触ると パリパリと音がしそうな程だ。 外の杉の木の上に 並べる。 150年は生きたであろう杉に 数日の命だった 黄色い花達。 そよとも風の吹かない 雲一つない青い空の下 若い芽吹きの木々に囲まれ 遠くから聞こえる ツツドリの鳴き声を聞きながら 質素な美しさの 杉の年輪と黄色い枯れた花を眺め 私は満足である。
29日 夕方 最近 夜になると 「小屋」の周りに子鹿が現れる。 北側の窓から 外を見ると まだ 生まれて間もない小鹿が 街灯のLEDに照らされて 懸命に無心に 地面に顔を近づけて 何かを食べているのが見えた。 私は思う。 「あの鹿だな・・・ 「小屋」の周りの花芽を食べるのは」 クリスマスローズ アメリカンワイルドフラワー そして 毎年増え続けるミヤコワスレの芽を すっかり食べられたのは多分昨晩。 可愛い顔をして むしゃむしゃと食べたんだろうな。 買物に行く途中に通る 川沿いのキャンプ場の上に 雲が軽やかに浮かび 大きく広がる空が美しかった。 道路のそばのデジタル温度計では12度。 ダウンのジャケットを着ていたので 車の窓を開けても寒くはない。 このまま春が続けばいい。
馬酔木の花 馬酔木の木は 村の山 道の脇 どこにでもある。 花が咲いていない時の馬酔木は 濃い緑の艶のある葉っぱが 枝にふさふさとついている 全く目立たない木だ。 20代に読んだ 堀辰雄のエッセイ「大和路」に 馬酔木の花が出てくる。 京都 浄瑠璃寺の山門への道に 並んで植っているというのを読み 数年後(半世紀前)に友達と尋ねた事がある。 JRの駅から どうやって行ったのか覚えていないが 田舎道 山道を随分歩いた記憶がある。 そして 辿り着いた浄瑠璃寺は 本堂の前に 小さな池があるこぢんまりとした寺だった。 綺麗な吉祥天の像もあったと思うが 覚えていない。 馬酔木の木は 花の季節ではなかった。 帰り道に 道端に並べて売られていた 椎茸 柿の実を買い 竹筒にお金を入れた。 確か200円だった。 今日目覚めると 強風で雪が横殴りに降っていた。 山の木の枝が 大きく揺れてゴーゴーと音を立て 数セン
表に出ると 余りの寒さに思わず背中を丸めた。 道路は濡れて 夜に雨が降ったのを知った。 北風は強く 人工林の杉の枝が大きく揺れる。 午後3時過ぎ 太陽が雲の合間から日が差し 心の中まで 明るい光で満たされた。 「青い空 白い雲・・・なんて素晴らしい日なんだ」 と ルイ・アームストロングも歌っている。 ちょっと 歩いた。 いつもの様に 渡り鳥のアイサが 私に驚いて川から飛び立った。 今日は4羽。 そして上を向いて 流れる雲をスマホで撮った。 風は止んだのに 天上の雲は姿を変え 飛ぶ様に流れて行った。 夫が割った薪用の木を 猫車で「小屋」のそばに運び そして積んだ。 きっちりと積まれた薪の様を見るのは良い。 1時間の薪の労働。 幸田文「木」を少しの時間を見つけては読む。 「木」への愛と観察の驚きの1頁 1頁だ。
今日は霧雨の日。 水嵩が少し増えた川に棲みついている 頭と背が黒く 腹部が白い鳥が3羽。 私が道を歩くと バタバタと羽音をさして飛び立つ。 調べてみると 渡り鳥「アイサ」ではないかと思う。 「天然ごはん」高橋博文著を読み終えた。 (転勤記者の台所)と副題がついたエッセイ。 「つい読まずにはいられない。 目から鱗の食いしん坊コラムと暮らしの発見」 と帯にみなみらんぼうが書いている。 それに 山歩き 山小屋の文も加わり とても楽しく次々と読み進む事が出来た。 「木」幸田文著を読み始めた。 山の村に住んでいる私には とても身近に感じる木の生態を 作者の優しく深い文で 楽しく読めそうだ。
朝ごはん 毎朝 同じ時間に同じものを食べる。 今まで何回も書いているが 実にシンプルなものだ。 ミルク紅茶 カスピ海ヨーグルト 蜂蜜とジャムを塗ったホームベーカリーのパン。 朝の太陽が日々高くなり ガラス窓を通して差し込む光が テーブルに明るい。 マグカップに淹れた 熱いミルク紅茶から 立ち上がる湯気の様が美しく スマホで写真を撮った。 図書館で借りた「じい 散歩」藤野千夜著。 余りにも面白く 少しの時間でも見つけて読んだ。 20年ほど前に芥川賞をとり 名前は知っていた。 藤野千夜の著作を他にも読んでみたい。 「天然ごはん」高橋博文著を読み始めた。 滋味深い 心に栄養を与えてくれるような文だ。 お天気は変わらず 氷雨が降ったり止んだりで 雪解け水と雨のせいで 川の水は増え滔々と流れている。 ↑ hola bajaさんのブログで知りました。ありがとうございました。 天然ごはん―転勤記者の台所
6日 午後 昨日も今日も 霙や雨が降り 「小屋」の周り 山や原っぱには 未だに雪が積もったまま。 でも 微かに寒さや冷えは以前とは違う。 今年は辛い年明けだった。 だから 春の色合いを感じるだけで心が落ち着く。 ホームセンターで チューリップ ヒヤシンスの鉢植えを見た。 小さな植木鉢に 3個 4個と植わり 芽を出し しっかりと固く手を繋ぎ合ってるように見える。 秋に球根を沢山植えよう。 そして次の年 雪が溶け春になると 赤やピンクのチューリップ 青や白いヒヤシンスが咲くだろう。 思って見ただけで 待ちどうしくなる。 映画「PERFECT DAYS」を観て 役所広司演ずる平山が 古本屋で買った文庫本「木」幸田文著。 興味を持った。 幸田文の本を一冊ずつ読みたいと思った。 図書館に予約しよう。
2日 午後 まだまだ溶けない積もった雪に 色々な動物の足跡が並ぶ。 その中で 真っ直ぐに雪の斜面を登った鹿が 細い 力強い4本の足で雪を踏み締めた跡。 美しいので写真に撮った。 そろそろ食材が残り少なくなった今日の夕飯。 冷凍の鯖の半身を2枚解凍し フライパンで焼いた。 ノルウェイ産の鯖だ。 思い切り焦げ目がついた焼き鯖は 皿の中で甘酢に浸かっている。 塩揉みをし 水で晒したスライス玉ねぎを載せ 小さな柚子を絞り 黄色の柚子皮も散らした。 具沢山の味噌汁には ワカメを忘れずに。 デンマーク産の冷凍インゲンを湯掻き 切った竹輪を合わせて 芥子醤油で和えた。 さつまいもの茎と昆布の醤油煮 これは貰い物。 そして 炊き立ての熱々ご飯。 どこかの定食屋のご飯のような夕食。 でも こんなご飯が美味しいなと思う。
29日 午後 雪や雨が続いた日の後の 窓からの日差しがとても嬉しい。 屋根や木の枝から 雪が溶けてポタポタと落ちる。 そして 積もった雪がとても重くなる。 その重い雪を シャベルで割りながら掬い除雪する。 40センチほどの雪に 歩けるだけの道をつける。 「小屋」の周りには 動物達の溶けかけた足跡と 人間用の細い道が 仲良く並んでいる。 図書館で借りた 一回遅れのキネマ旬報の 特集は「Perfect days」 ヴィム・ヴェンダース監督 役所広司主演の映画 今更 説明は不要だろう。 私が観た「枯れ葉」と同様に 映画評論家からの評価も高い。 評論家の一人が 役所広司の佇まいが美しい と書いている。 BGMリストで知った沢山の曲は 私の世代なら懐かしく思うだろう。 ポール•オースターの翻訳で馴染み深い 柴田元幸も 写真屋店主で出ているらしい。 これだけ 本やインターネットで読み 予告編を観てしま
27日 午後 集落の寺 少し小高い所に建っているのは この集落のお寺だ。 農家のように見えるが どの集落のお寺もこんな建物。 私は ウォーキングの途中 この寺の前でストレッチをする。 南東に見える山を眺めながら 大きく息を吸うのは気持ちがいい。 たまに 下の道路を車が走るが 誰も私に気がついていないだろう。 途中に 雨が降り始め傘をさして帰った。 今日は 雨の1日。 昨日積もった雪が溶け始め 杉の葉に纏わり付いた雪が落ちる音がし 夜には 屋根から大きな音を立てて雪が落ちた。 朝 雪の面に沢山の動物の足跡があった。 私が眠っている間に 「小屋」の壁の向こうで 鹿やら テンやら 兎やらが歩いた跡。 これも昨日と同じ。 何の変わりもない1日だった。
23日 午後 北国 南の島 高い山 海岸線 取り巻く海・・・ 雪が降る冬に 半袖で過ごせる土地がある国。 違った地勢が 小さな島国に整っている国。 細長い日本列島を 天気予報の雨雲レーダーで見る時 私はいつも不思議が気持ちになる。 飛行機から下を眺めた時に 広がっていた黒い山並み それらの間に 細い川がいく筋も流れていた。 この姿を見て 愛おしく感じるのは私だけだろうか。 明日は警報級の大雪だとニュースが言う。 夕方に見上げた空には 清らかな風情の雲が 南東の空に広がり それが走るように流れて行った。 記憶に残るであろう雲だった。
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