パトカーに新幹線、キャラクターの乗り物。どこか懐かしい遊具が並ぶデパートの屋上遊園地がこの春、また一つ都内から姿を消す。かつては週末ともなれば家族連れでにぎわったが、最近はレジャーも多様化し、客足が伸びない。時代に合わせて生まれ変わる屋上もある。 東京・上野松坂屋の屋上遊園地は3月11日、85年の歴史に幕を下ろす。 1月下旬の日曜日。墨田区の派遣社員池部陽子さん(36)は夫と2人の娘、両親の親子3代で来園した。屋上約360平方メートルの敷地には消防車などの乗り物やゲーム機が約110台。半世紀前に製造された物もある。 幼いころ、親に手を引かれ、買い物帰りに立ち寄るのが楽しみだった。前後左右に揺れる乗り物に乗り、連れ添いの父母が一緒にはしゃいでくれた。「肌で季節を感じられるのも屋上ならでは。大人も子ども時代に戻って胸がときめく。無くなる前に、もう一度家族で来たい」
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