難病に苦しむ多くの患者を救うことが期待される再生医療。この分野に強力な技術が加わった。名古屋大学の上田実教授(顎顔面外科)らが成功した、幹細胞の成長因子を使う世界初の画期的な医療技術がそれだ。 多くの再生医療では幹細胞そのものを使うが、上田教授らの方法では、人間の幹細胞から取り出した成長因子を粉末にして使う。具体的には治療時に粉末を水に溶かして寒天などのスポンジ状の物質に含ませ、骨など、再生させたい部位に移植する。「従来の再生医療では幹細胞自体が再生の主役と考えられてきましたが、実は幹細胞の分泌する成長因子こそが主役とわかったことがこれまでにない大きな研究成果です」(上田教授) この方法では、再生できる組織に制約がなく、ほぼ万能であらゆる部位に使える。幹細胞の分泌タンパクを使うので「その幹細胞が効果を示す組織の再生はすべて可能」(上田教授)だという。 このため、脳梗塞、脊髄損傷、パー
7月末、夜空の“ラッシュアワー”が見られるかもしれない。2つの流星群が“合流”して、きらびやかな天体ショーが上演されるのだ。 毎年8月に観測されるペルセウス座流星群は、1年のうちでも特に見応えのある流星群として知られている。しかし今年の極大日の8月12日はちょうど満月にあたり、その明るさのせいで、肉眼で見える流星の数が大幅に減ってしまう。 それでも、月の光でメインイベントが妨げられる一方で、オープニングイベントのほうは間違いなく見応えがありそうだ。 ペルセウス座流星群ほど有名ではないが、みずがめ座デルタ流星群が今年は7月29日の夜に極大を迎える。そしてその頃には、より活発なペルセウス座流星群の流れ星が増え始める。晴れた暗い空なら、2つの流星群を合わせて1時間に15〜30個の流れ星が見えるだろう。 カナダのバンクーバーにあるH.R.マクミラン宇宙センターの天文学者ラミンダー・シン・サ
「日本一の料理レシピサイトを目指す」(濱野斗百礼[はまのともあき]・楽天執行役員メディア事業長)――ネット通販サイト大手の楽天が、売り上げ規模で2ケタも下回るクックパッドの牙城に挑んでいる。 楽天は昨年10月、料理レシピの投稿サイト「楽天レシピ」を開設、本格的にこの市場に参入した。およそ9カ月で、レシピ投稿数は累計約20万件(7月中旬)に達した。クックパッドの累計レシピ投稿数100万件にはまだまだ及ばないものの、1日あたり500〜1000件の投稿を集めており、「投稿数の伸びではクックパッドを上回っていると思う」と、濱野氏は追い上げに自信を見せる。 レシピ投稿の獲得で楽天が武器にしているのが、「楽天スーパーポイント」だ。楽天ではレシピやそのレシピに対する書き込みなどの投稿に対してポイントを付与する。クックパッドが投稿者の“表現欲”のみに依存するのに対し、“実利”もプラスすることで、投稿を
100歳以上の日本人は4万人を超えている。いつまでも元気で長生きしている高齢者が増える一方で、認知症や足腰が弱り介護が必要な人も増え、社会問題となっている。 では、「ボケる人」「ボケない人」を分けるのは何か――。現在ベストセラーとなっている『100歳までボケない101の方法』(文春新書)の著者で、順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授の白澤卓二氏はこう語る。 「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持てといわれますが、40歳を過ぎて老けて見られるとしたら、それは遺伝のせいではなく、あなたの自己責任です」 寿命を決めている要因のなかで、遺伝子が占めるのはわずか25%しかないことが研究で明らかになっているという。寿命を決める残り75%は環境要因ということだ。白澤教授が続ける。 「環境要因のなかには、大気汚染など自分では避けるのが難しいものもありますが、多くは自分で変えられるもの。例
Tカードは、レンタルDVD最大手のTSUTAYAが発行するカードで、使うたびにポイントがたまるしくみだ。2010年10月末現在で、会員数は3624万人、月間利用件数1億5000万件は、他のポイント付きカードを圧倒しているという。 このTカードと提携している企業は多く、ロッテリアやENEOS、ドトールコーヒー、ガスト、ファミリーマートなど、多様な業種から70社を超えている。 Tカードと提携する企業にとって最大のメリットは、顧客情報の共有である。 ある日、TSUTAYAでDVDを借りたAさんが、ファミリーマートで買い物をし、ガストで食事をして、代金を支払う際に、ポイントをためるためにTカードを提示した。Aさんの買い物情報は提携企業の間で共有される。Aさんは、どんな映画が好きで、どんな飲み物、食べ物が好きで、どんな所に行っているかといったことが共有されるのだ。 別の日に買い物をしたAさん
7日終了したキリンカップでは3-4-3のシステムを試す余裕を見せるなど、ザッケローニ就任以来まさに順風満帆のザックジャパン。しかし、ここにきてある「問題」が代表メンバーたちのなかで発生しているという。サッカー関係者の話。 「実は、代表メンバーたちの間の“語学格差”が大きく開き始めているんです。特に皆が気にしているのが“イタリア語格差”。長友はザッケローニ監督とイタリア語で戦術について直接やりとりしていて、他選手との通訳を買って出ることもある。ザッケローニの信頼も当然厚いし、ピッチでは自然と長友を中心とした輪ができてしまうんです。 本田は英語、長谷部も英語とドイツ語は相当できるが、イタリア語では長友が一歩リードしている。国内組はじめ、語学が苦手な他のメンバーはもうお手上げです。皆“やはりこれからの代表は長友が中心か”と焦っているらしい」 もうひとり、代表には意外な“語学の天才”がいる。
東日本大震災でダメージを受けた生産の回復に躍起となっている自動車メーカー。その足かせとなっている部品調達体制の実態が明らかになった。 日本の自動車メーカーの競争力の源には、これまで築き上げてきたピラミッド型の強力な調達網と綿密な調達体制があるとされてきた。リスク対応にも余念がなく、どの自動車メーカーも同じ部品を複数の部品メーカーから調達し、リスク分散を図ってきていた。 ところが、今回の大震災で強力、綿密なはずの調達網の落とし穴が浮かび上がった。4〜5次にわたる調達先のうち、自動車メーカーが把握していたのは「せいぜい2次部品メーカーまで」(大手メーカー)だったのである。 鈴木修・スズキ会長、益子修・三菱自動車社長ら首脳陣も一様に「部品の調達ルートがここまで入り組んでいたとは」と驚く。 自動車メーカーが把握できていなかった3次以降の調達先をたどるうちに、判明したのは想定外の集中リスクだ
1皿280円の激安ユッケが日本中を震撼させている。「焼肉酒家えびす」による集団食中毒は5月5日までに100人規模となり、4人の命を奪った。藤井潤・九州大准教授(細菌学)に、牛肉を生で食べる怖さについて、解説してもらった。それでもあなたは生肉を食べますか? Q・1 やっぱりユッケは食べないほうがいいのかな? 厚生省(現厚生労働省)は1998年に牛肉と馬肉について生食用の衛生基準を定めたが、基準を満たす生食用の牛肉は流通していない。強制力がない上に手順が複雑なためだ。 「菌は肉の表面に付きますが、衛生基準では肉の片面を削るごとに、包丁とまな板を交換することになっている。肉は無駄になるしコストもかかるので基準が守られず、表面に大腸菌が付いた生肉が客に出されて被害に遭うケースが出てくるのです」(藤井氏) 東京都では、毎年6〜8月にかけて、生肉を提供する店などを調査しているが、「多くの店が『
東京電力の清水正孝社長が、4月7日、ようやく業務に復帰した。東日本大震災から1カ月が過ぎたが、清水社長がリーダーシップを発揮することができない背景には、体調面の不安ばかりではなく、社内派閥の影響力が強いために身動きが取れなくなっている可能性が高い。 東電は東大文系が歴代社長を独占、10電力会社の歴代社長の学歴一覧 東洋経済が毎年7月、全上場会社を対象にアンケート調査を行っている『役員四季報』から役員の出身大学を1989年から2010年調査までの過去21年分にわたって分析、さらに各社の有価証券報告書から電力10社社長の職務経歴をまとめたところ、東電は東大、文系、間接部門出身が力を持つ、硬直的な人事となっていることが分かった。 歴代東電役員の学歴を見ていくと、東大派閥が非常に大きな力を持っていることが見て取れる。89年には38人のうち26人、7割ほどを東大派閥が独占していた。10年には4
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