DX(デジタルトランスフォーメーション)で失敗している企業は多い。筆者はIT関連の開発に長年携わっており、「失敗学」の経験を基に『DX失敗学 なぜ成果を生まないのか』(日経BP)を上梓(じょうし)した。今回と次回の2回にわたり、この本から「ITプロジェクト版失敗原因マンダラ図」を取り上げる。 ITプロジェクトの多くは失敗に終わっている。失敗の後に犯人捜しをして満足したり、架空の失敗原因を作り出してなんとなく納得した気になったりしていることも多い。大事なのは真の失敗原因を見つけ出して、次回以降につなげることなのだ。 より確実に真の失敗原因にたどり着くためのツールとして、筆者らは「ITプロジェクト版失敗原因マンダラ図」を考案した。 筆者が所属している失敗学会は、失敗の原因を構成する要素を分類して関連を階層ごとに図示した「失敗まんだら」を提唱している。仏教で悟りの世界や仏の教えを示した図絵である