アゲインスト・デモクラシー 上巻 作者:ジェイソン・ブレナン 勁草書房 Amazon 著者であるジェイソン・ブレナンの議論については、過去に下記の翻訳記事で紹介している。 davitrice.hatenadiary.jp この記事ではやや変則的だが、本書の4章と5章の内容を先に紹介。 『アゲインスト・デモクラシー』は、タイトル通り、市民に等しい選挙権を与える民主主義に反対して、制限選挙制や複数投票制に基づくエピストクラシー(選良政治/知者による支配)を擁護する本。 ブレナンが民主主義に反対する理由はいくつもあるが、多くの人が同意できる理由としては、「民主主義では望ましい政策が採用されづらいこと」「愚かな人までもが選挙権を持つ政治制度では、争点になっている問題についてきちんと考慮されていなかったりマイノリティのことが配慮されていなかったりするなどの悪い選挙結果が恒常的に生じること」や「エピス