世界経済が深刻な信用危機に見舞われているが、時間軸を伸ばして俯瞰して見ると、世界が大きな転換期に差しかかっていることが分かる。 20年前に冷戦が終結したのを受けて、旧社会主義国の多くは統制経済を廃止し、自由市場経済への移行を図った。中国は社会主義の看板こそ取り下げていないが、経済の運営はすでに市場経済に移行している。 それに対して、先進国を中心とする資本主義国家のほとんどは人口減少、高齢化や製造業の衰退などによって経済が構造的に低迷期に突入している。日本はその典型例であろう。経済学者は景気を刺激するケインズ政策を提案し、実施してきたが、景気は一向によくならない。その結果、世界経済の成長センターは先進国から新興国にシフトしている。 今回の信用危機はアメリカのサブプライムローン問題が発端だったが、ユーロ圏にも広がりを見せている。世界機関や各国の中央銀行は危機の手当てを試みているが、有効策は見出