人気車種の広範囲な販売・生産停止に発展したトヨタ自動車のリコール問題は「安全と信頼」というトヨタのブランドイメージを大きく傷つけた。国内だけでなく、米国でも揺るぎない成功神話を築いたトヨタだが、相次ぐトラブルの背景には、「危機意識の欠如」も見え隠れしている。 「ひところのバッシングは少なくなった」。トヨタが今月21日(米国現地時間)、約230万台のリコールを発表したことの影響についてトヨタ幹部はこうコメントした。顧客の安全を保障し、「信頼回復を図る」(トヨタ関係者)姿勢を貫けば、米国世論の批判はやわらぐとの判断があったようだ。 これに対して、米メディアは「トヨタは問題をどう処置したらいいか分かっていない。多くの顧客もどうすればいいのか困惑している」(ワシントン・ポスト紙)と容赦ない。20年以上、トヨタ車を愛用する米国人男性は「もはやトヨタは完全ではない」とし、ディーラーも「先が見えない世界