空調システムの不具合で米国行きの途中から2日連続で引き返したMRJ。一夜明けた29日、三菱航空機は原因究明に追われたが、特定できていない。本格的な飛行試験の舞台、米国への到着が大幅に遅れるようだと、2年後を予定する納入開始が厳しくなる。受注にも影を落としかねない。 MRJは29日、本拠の愛知県営名古屋空港(同県豊山町)から飛び立てなかった。三菱航空機の役員は同日夜、「まだ原因は究明できていない。再々出発は少し時間がかかるだろう」と話した。この役員によると、空調システムをつくった米大手航空機部品メーカーは「初めての事態」として困惑しているという。 こうした状況を踏まえ、三菱航空機は、行き先である米国ワシントン州のグラント郡国際空港で来月9日に予定していた試験拠点の開所式を、延期する検討を始めた。 空調システムは、それほど重要だ。高度約1万メートルの外気は零下50度に達し、気圧も地上の4分の1