著者プロフィール:山口揚平 トーマツコンサルティング、アーサーアンダーセン、デロイトトーマツコンサルティング等を経て、現在ブルーマーリンパートナーズ代表取締役。M&Aコンサルタントとして多数の大型買収案件に参画する中で、外資系ファンドの投資手法や財務の本質を学ぶ。現在は、上場企業のIRコンサルティングを手がけるほか、個人投資家向けの投資教育グループ「シェアーズ」を運営している。著書に「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」など。 前回のコラム「現代の不思議な貨幣論・入門編――エコロジーとエコノミーが表裏一体な理由」では、銀行が預金という実態価値ではなく、ローンという、ある種虚構の資産をベースにお金を“造る”構造について述べた。その結果として、金融経済が実体経済をはるかに超えて膨張し、危うさを増しているという状況についても言及した。 今回は、貨幣についてのもう1つの素朴な疑問、「いったい誰