奈良県明日香村の真弓鑵子(かんす)塚古墳を発掘調査していた村教委は7日、被葬者を納めた石室が、露出した巨大石室で知られる石舞台古墳(同村)より一回り大きい国内最大級の規模だと発表した。 巨石をドーム状に積み上げた石室は全国的に珍しく、被葬者の地位の高さを裏付ける成果となった。この地域一帯を支配した朝鮮半島からの渡来系氏族、東漢(やまとのあや)氏のトップクラスの人物を弔った墓の可能性が高いという。 同古墳は直径約40メートルの円墳で、南北両側に入り口がある特殊な構造。6世紀中ごろの築造で、横穴式の石室は全長19メートル以上と判明した。 石室のうち、被葬者を納めた玄室は18畳分の広さがあり、高さは4・7メートル。一辺1メートル近い巨石400個以上を、ドーム状に積み上げる高度な技術が用いられていた。 石室内部からは、獅子(しし)を浮き彫りした金銅製の飾り金具や馬具、銀象嵌(ぞうがん)の大刀飾りも