外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が成立した。新設する在留資格「特定技能1号」の約半数は、技能実習生が移行する見込みだ。国会では劣悪な労働環境下で働く実習生の実態を問題視する声が上がったが、その実習生の数は増加の一途をたどっている。日本を目指す彼らもSNSなどで現場の実態を知ることはできる。全てではないにしても、劣悪な実態があることを知りながら、なぜ日本を目指すのか。技能実習生の最大の送り出し国、ベトナムの首都ハノイを歩いた。(文・写真:澤田晃宏/Yahoo!ニュース特集 編集部) 空が白み始めた。5時45分、起床のベルが鳴る。5分もしないうちに、ベトナムの若者たちが、続々と校舎から出てきた。日本とベトナムの国旗がプリントされたおそろいのユニホームを着込んでいる。筆者を見つけると立ち止まり、大きな声で「おはようございます」と言って礼をする。すぐまた後ろの若者も……。 ここはハ