ドイツの精神科医と安楽死計画 第3回 歴史を直視し、個々の患者に向き合う ▼追悼式典での冒頭のあいさつ ▼今日の課題につながる反省を ▼未来の心を病む人たちを救うために ▼過去の事実から学ぶ教訓を国際社会にも発信する 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 追悼式典での冒頭のあいさつ 2010年11月26日、ドイツ精神医学精神療法神経学会のフランク・シュナイダー会長(アーヘン工科大学医学部精神科教授)は、ベルリンにおける年次総会で、ナチス時代に精神医学の名のもと、強制移住、強制断種、人体実験の被害を強いられ、また患者として殺害された犠牲者をしのぶ追悼式典を開催しました。追悼式典には、3000人の医師たちが参加しました。 以下は会長のフランク・シュナイダー会長の追悼式典での冒頭のあいさつです。 「皆さん、われわれ精神科医は、ナチの時代に人間を侮蔑し、自分たちに信頼を寄せてきた患者を裏切り、だ