教育改革で名を馳せた都内の有名中学校が「内申点騒動」に揺れている。千代田区立麹町中学校は、公立でありながら、都心のど真ん中にあるために古くからエリート層の子弟が通うことで知られ、かつては「番町(小学校)、麹町(中学校)、日比谷(高校)、東大」という「最高のエリート路線」を象徴する言葉もあった。 その「古豪」が再び注目を集めることになったのは、2014年に赴任した工藤勇一・校長が断行した改革だった。工藤氏は、宿題の全廃、担任制の廃止、定期テストをやめて「単元テスト」にするなど大胆な仕組みを次々と打ち出したが、なかでも物議を醸したのが徹底した絶対評価の導入だった。各教科でひとつの単元が終わるごとに課させる単元テストで決められた基準をクリアした生徒には、校内の順位には関係なく評定を与えたのである。しかも、結果に納得できない生徒は何度でも再テストを受けることが許され、そこで基準に達すればそれに応じ