あすを探る 板橋拓己さん 「イスラエルの安全保障はドイツの国是だ」。10月7日のハマスによる攻撃以来、ショルツ首相をはじめドイツの政治家たちはこの文言を繰り返し、イスラエルを支持してきた。11月17日、トルコのエルドアン大統領との共同記者会見では、「子供たちを殺戮(さつりく)する」イスラエルを非難するエルドアンに対し、ショルツはイスラエルの自衛権を強調し、同国との連帯を再確認した。
ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃が凄惨(せいさん)を極めている。2002年に音楽家のダニエル・バレンボイムを取材した折、1993年のオスロ合意を「失敗だ」と語った、やりきれなさを隠せない強い口調が蘇(よみがえ)る。「十分な対話なくして『敵』のまま共存する解決策などあり得ない」 バレンボイムと思想家…
APEC首脳会議の閉幕セッションに臨む各国の首脳。奥右から2人目は岸田首相、左端はバイデン米大統領=17日、米サンフランシスコ(代表撮影・共同)
シファ病院の敷地内には住居を追われたパレスチナ人たちの設営したテントが立ち並ぶ/Ahmed El Mokhallalati/Reuters/File (CNN) イスラエル軍が突入したパレスチナ自治区ガザ地区で最大規模のシファ病院は17日、集中治療室(ICU)に収容されていた患者の大半が死去したと報告した。 同病院で火傷治療部門を指揮する医師が、中東カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの電話取材に明かした。集中治療室の患者は燃料や酸素供給の不足のため人工呼吸器が装着されているとした。 医師は、病院内で世話をする未熟児の赤ちゃんの人数が大幅に減ったとし、生き続けている幼児も病院が襲われている窮状を踏まえれば存命も危ういと嘆いた。 病院での基本物資の欠乏は深刻で、主要な病棟では水が払底し、電気供給もないとした。電源が確保できず、手術の実施は中止となった。結果的に患者の症状は悪化し、特に清潔な水
画像説明, ガザ市内のアル・シファ病院内に入ったイスラエル兵の様子という、イスラエル国防軍(IDF)提供写真(15日) イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区のガザ市にあるアル・シファ病院に入ってから、すでに数日がたった。17日の時点でイスラエル軍は、この病院がイスラム組織ハマスの重要な司令本部だったと示す証拠を、引き続き捜索している様子だ。 病院内の様子を第三者が客観的に点検できる状態ではないことを、留意する必要がある。報道陣はガザ地区内に自由に入ることができないし、現時点で病院内から報道している者はだれもがイスラエル軍の監督下にある。 イスラエルがこれまでに提示した証拠には、今のところ、病院についてイスラエルが展開していた言説を信じさせるだけの説得力が欠けていると私は思う。イスラエルはこれまで、アル・シファ病院がハマスの指揮系統の中心だと示唆していたが、イスラエルがすでに示した証拠はそ
アル・シファ病院は、パレスチナ自治区ガザ地区北部ガザ市にある主要病院で、私も何度か行ったことがある。広大な敷地のこの病院は安全だろうと、ガザ市民が避難して、テントを張るなどして寝泊りした。 この病院が今や、戦争で対照的に交錯する攻撃と被害の象徴と化している。イスラエル軍によるガザ侵攻は多数の死傷者を出し、病院内は人道上の危機に直面しているのだ。 イスラエル側は、イスラム組織ハマスの司令部を捜索するだけでなく、燃料や保育器も院内に運び込んだと力説している。アル・シファ病院にいた早産児を保育器から出さなくてはならなかったと言われ、広く懸念されているからだ。
患者ら数千人が身を寄せるパレスチナ自治区ガザ地区最大のシファ病院に対して突入作戦を始めたイスラエル軍は15日、院内で見つけたとする銃器などを示し、イスラム組織ハマスにより「病院がテロに使われていたことが確認された」と主張した。一方、異例の作戦を強行する理由としていた地下のハマス司令部は見つかっておらず、今後示せるかが焦点になる。 イスラエル軍は15日夜、院内の「MRI(磁気共鳴断層撮影)センター」で撮ったとする動画を公開した。軍の広報担当者が「たった今、発見したものだ」として、MRI装置の後ろに置かれたカバンを示し、自動小銃や銃弾、手投げ弾、戦闘服などが入っていると説明。薬などが並ぶ棚に、銃やナイフ、戦闘服が置かれている様子も映した。 別の病棟で発見した「作戦司令部」とする写真も公開。会議用の机の上に弾倉や手投げ弾、無線機などが置かれている。じゅうたんに10丁の自動小銃を並べた写真も公表。
イスラエルによる攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ地区の病院で活動していた日本赤十字社の看護師、川瀬佐知子さんが17日、東京都内の日本記者クラブで会見した。現地では民間人や病院への攻撃が続いており、「一日も早い解決を」と訴えた。 川瀬さんは今年7月から12月までの予定で、イスラエル軍が突入したシファ病院に近いクッズ病院に派遣され、看護技術の指導などを行っていた。10月7日に大規模な軍事衝突が始まると、赤十字国際委員会の指示で避難を開始。建物の破片が飛び散り、身の危険を感じる中、安全な場所へ逃げたという。「緑があふれ、たくさんの子どもの姿があるにぎやかな場所が、自分の知らない町のようになってしまった」。同13日に南部ラファに逃れたが、攻撃が激化したことから11月5日に帰国した。 連絡がついた現地の同僚の話…
「国境なき医師団」看護師として赴任 難民キャンプまでがイスラエルによる空爆の的になり、人道危機が深刻化しているパレスチナ自治区ガザ地区。国際NGO「国境なき医師団」の看護師、白川優子さんは、かつて現地で医療・人道支援活動に携わった。 中東の紛争地に何度も赴任し、民族・宗教間の争いの悲劇を間近で見続けてきた白川さんには、宗教的聖地で遭遇した忘れられない光景がある。いかに困難でも憎しみの連鎖を止めなければならない、と訴える。 「天井のない監獄」で絶望するパレスチナの若者たち 現在イスラエル軍の激しい攻撃を受けているパレスチナ自治区ガザ地区に2015~16年、人道援助活動のため滞在しました。 そこはまさに「天井のない監獄」でした。周囲を壁などで封鎖され、人やモノの移動が制限されている。種子島より狭い面積に220万人がひしめき合う。国連の教育支援で若者の学歴は高いのに、50%にも及ぶ失業率のため職
[ワシントン 24日 ロイター] - イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まった後、バイデン米大統領が鮮明に打ち出したイスラエル支持の姿勢が、米国のアラブ系市民やイスラム教徒らの批判の的になっている。 10月24日、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まった後、バイデン米大統領が鮮明に打ち出したイスラエル支持の姿勢が、米国のアラブ系市民やイスラム教徒らの批判の的になっている。写真は21日、ワシントンでガザでの停戦を訴えるムスリム系米国人の団体(2023年 ロイター/Bonnie Cash) バイデン氏は彼らから、パレスチナ自治区ガザの人道危機回避に向けてもっと努力するよう求められており、対応を怠れば来年の米大統領選で支持を失いかねない状況だ。 多くのアラブ系市民が怒っているのは、イスラエルの空爆から逃れようとしているパレスチナ人が次々に命をなくしている中でも、バイデン氏が人道上の観
イスラエルから帰国直後の10月19日夜。バイデン米大統領は国民向けの演説で、イスラム組織ハマスとロシアのプーチン大統領とを並列し、「いずれも隣の民主主義国家を絶滅したいと考えている」と糾弾した。「テロリストや独裁者が報いを受けなければ、より多くの死と混乱、破壊が引き起こされる」と続けた。 【連載】アメリカ大統領選2024 覇者の焦り来年に大統領選を控えるなか、混迷をきわめる世界と向き合わなければならない米国。外交を動かす底流となってきたのが、冷戦終結後に手にした覇権が揺らいでいるという「焦り」の感覚です。その実像を描きます。 イスラエルとウクライナの双方を支えるという米国の「正義」を、国内外に示すのが狙いだったのだろう。しかし、この粗雑な論理を持ち出さなければならないところに、米政権の苦しさがにじみ出ている。 ロシアによる露骨な侵略が起きたウクライナ情勢をめぐり、バイデン氏はリンカーンの言
アメリカで目立つイスラエル離れ、Z世代、非白人層に広がるパレスチナへの共感 ユダヤ系団体も停戦求め議会座り込み、来年の大統領選に影響【2023アメリカは今】 パレスチナ自治区ガザへの軍事行動を進めるイスラエルと長年、深い関係を築いてきた米国の世論に”地殻変動”の兆しが指摘されている。Z世代と呼ばれる1997~2012年生まれの若者や非白人層の間ではパレスチナへの共感が目立つ。米首都ワシントンでは、米国に住むユダヤ人たちが連邦議会で停戦を訴える抗議活動を行い、数百人が逮捕される事態も起こった。(共同通信ワシントン支局 金友久美子) ▽ワシントンの大学生、次期大統領選では「イスラエル重視のバイデン氏支持しない」 「パレスチナの子どもたちやその両親が日々殺され、住宅がじゅうたん爆撃を受けているのを見るのは本当につらい。ガザの人々は声を上げることもできず、私たちが代弁者にならなければいけないと思っ
イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突をめぐり、国連安全保障理事会では人道支援のための戦闘の一時的な停止などを求める決議案の採決が行われ、15か国のうち日本を含む12か国が賛成しましたが、アメリカが拒否権を行使して否決されました。アメリカは、イスラエルの自衛権に言及がないなどと主張しましたが、各国からは遺憾の意が表明されました。 イスラエルとハマスの衝突をめぐっては、国連安保理に議長国のブラジルが ▽ハマスによる攻撃や誘拐を非難し人質の解放を求める一方で ▽人道支援のための戦闘の一時的な停止や ▽イスラエルがガザ地区北部の住民に出した退避通告を撤回するよう求める決議案を、提出していました。 採決は18日午前、日本時間の18日夜に行われ、理事国15か国のうち ▽日本やフランスなど12か国が賛成し ▽ロシアとイギリスが棄権しましたが ▽常任理事国のアメリカが拒否権を行使し、決議案は否決されました
イスラム組織ハマスがイスラエルに甚大な攻撃を仕掛けて以来、米国の若者らは恐怖や怒り、悲しみにさいなまれている。地球の反対側で繰り広げられている暴力を受け止め、自らの交友関係の中にも分断の影響を感じている。写真は米コロンビア大学で、パレスチナ人を支援する抗議行動に参加する学生ら。10月12日撮影(2023年 ロイター/Jeenah Moon) [18日 ロイター] - スタンフォード大学に在学するユダヤ人学生、ケビン・カダビさんは最近、祖母から電話をもらった。ユダヤ人という出自が分かるようにすると標的にされる恐れがあるため、大学周辺では「ダビデの星」をあしらったネックレスを着けないよう注意されたのだ。
イスラエルとパレスチナでの衝突の激化によってすでに6400人以上の人びとが亡くなっています(10月24日時点)。国境なき医師団は、紛争当事者に対し、「無差別攻撃の即時停止」、「医療の保護」、「人道性の回復」を求めます。日本政府は今年、G7の議長国であり、国連安全保障理事会で非常任理事国を務めています。皆さまの声を日本政府に届け、事態の早期沈静化およびガザ地区の人道状況の改善の必要性を国際社会に訴える取り組みを、さらに後押しする力とさせてください。 署名期間:2023年10月24日(火)~11月7日(火)※締切を11月7日に延長しました 国境なき医師団は、すべての紛争当事者に以下の点を緊急に強く要請します。 無差別攻撃の即時停止 •一般市民に対する無差別な空爆・攻撃と「集団的懲罰」の即時中止 医療の保護 •国際人道法の順守:医療施設、医療従事者を攻撃しない。安全な患者搬送の保証 人道性の回復
【読売新聞】 「毎日空爆の音を聞き、水や食料が不足していく中で、命の危険を感じていた」――。パレスチナ自治区ガザから退避した国際NGO「国境なき医師団」職員の白根麻衣子さん(36)は4日、報道各社の取材に時折、涙を浮かべ、「極限状態
暴力が歯止めを失い、あまりに多くの命が奪われていく。ガザをめぐる不条理が止まらない。 きっかけはイスラム組織ハマスのイスラエルへの攻撃だ。村々を襲い、音楽祭の会場で銃を乱射し、1400人を殺害。子どもや高齢者を含む240人以上を拉致した。報復攻撃が始まると「空爆1回ごとに人質1人を殺す」と脅迫した。 いかなる理由があっても決して許されない残忍なテロ行為だ。 これをイスラエルは自国にとっての「9・11」と思い定めた。米国が2001年に同時多発テロに襲われ、首謀者らをかくまうタリバン政権下のアフガニスタンに対して戦争を始めたように、ハマスに対する「戦争」を宣言。ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に容赦ない攻撃を始めた。 二つの「戦争」は、よく似ている。報復する側の圧倒的な軍事力と、巻き添えになる民間人の多さ。自衛権の行使を理由に始めた作戦が、テロとは無関係の人々の命と生活を破壊し、国
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