日本で生まれ育った在留資格のない外国人の子どもに「在留特別許可」が与えられることになりました。在日外国人医療に取り組む医師、高山義浩さんが背景や課題を語ります。 沖縄県の公立病院で主に感染症診療に従事する内科医で、海外では認定NPO法人ロシナンテスの理事として、貧困や紛争などの課題を持つ世界の国・地域で保健医療協力に取り組んでいる高山義浩さん。高山さんが、現場で見て、感じたリアルを伝えます。 無国籍の夫と在留資格のない妻、娘 無国籍の40代男性の外来主治医をしていたことがありました。 外国籍住民向けの健康相談会に、慢性頭痛を訴えて訪れたのがきっかけでした。収縮期血圧(最高血圧)180を上回る高血圧症……。私の外来に通うように伝えました。ただし、彼には医療保険がなかったため、受診は数か月に1回程度とし、最安値のジェネリック薬をまとめて処方していました。 この男性には、日本で出会ったタイ人の妻