第2節 アジアの長期経済見通し 2.アジアの長期経済見通し 以上のように、今後アジアでは高齢化・人口減少の問題が深刻化するとみられ、一国全体の経済成長は各国ともおおむね減速すると予想される。アジアの長期的な経済の動向を見通すに当たり、人口減少が各国の経済成長にどの程度のインパクトを与えるのかという点を分析しておくことは極めて重要である。そこで、以下では、長期で全要素生産性の伸び率や投資のGDP比が過去の平均的なトレンドと同様の推移をするとの前提を置くなど、一定の限界はあるものの、少子高齢化や人口減少がどの程度各国の経済成長を押し下げるのかを可能な限り定量的に示すことにする。また、あわせて世界の中でアジア経済が今後どのような位置を占めていくのかを展望する。 (1)潜在成長率(13)の推計 各国の潜在成長率を長期推計するに当たり、それぞれの国における将来の全要素生産性(TFP:Total Fa