朝日新聞による8月の特集以降、慰安婦問題は「おわび」や「政治的意図」をめぐるメディア問題になった。ただ、先日出された第三者委員会の報告では、先入観や思い込みを排し、一部の情報源に過剰に頼らない、など納得できる指摘・提言も数多くあった。これを踏まえ、今後は問題解決に向けた議論を深めていかなければいけない。 まず、慰安婦問題を巡る現状を整理しておきたい。 「軍による強制連行がなければ日本に責任はない」という主張がある一方で、「意に反して自由を奪われた」という「強制性」が問題だという論調もある。前者は公文書に重きを置くあまり裁判で認定されるなどした証言を考慮しようとしない。後者は逆に、被害者に寄り添うあまり客観的に事実を把握しようという姿勢に欠ける。 海外ではどうか。「強制連行を示す文書は見つかっていない」という主張は「言い訳」「日本は反省していない」と受け止められている。女性の人権が侵された事
![(慰安婦問題を考える)実態の究明、一刻も早く 国際大学大学院専任講師・熊谷奈緒子さん:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/548f20f909e7a0e4fb77c6189b449e3e1e05b0a1/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Farticles%2Fimages%2FAS20141230000192_comm.jpg)