大阪への早期延伸を求めてきた京都府や京都市は歓迎する一方、かねて要望してきた中間駅の誘致は、思うような成果を出せないままだ。「奈良市付近」経由が決まっている現計画のルート変更は見通せず、関係者は焦りを募らせている。 「京都は奈良市に接しているのに、ルート問題でヒアリングにも呼んでもらえない」 今月9日、定例記者会見でリニアの大阪延伸ルートについて問われた山田知事は、国に苦言を呈した。「京都を通る方が経済効果が大きい。40年前に決まった公共事業が、何の協議もされないのはおかしい」と、計画再検討の必要性も強調した。 山田知事は会見前日の8日、来年度の国の政策や予算に対する要望活動のため上京。石井国土交通相との面談では、東京―大阪間の同時開業に加え、府内を通るルート案の採用を求めた。 リニアの名古屋―大阪間ルートを巡っては、1973年に国の基本計画で主な経由地に「奈良市付近」が盛り込まれ、201