知らない間に、白髪が生えていた。 まず耳の上のあたりに1本。 こめかみのあたりにもう1本。 これはシャンプーで脱色したのではなく、おそらくちゃんとした白髪だ。 はじめて白髪を見つけたときはショックを受けるものだと思っていたが、意外にも「あ、白髪みっけ」くらいのノリだった。 30代も半ばを過ぎ、自分でも知らない間に「老い」というものを意識していたのかもしれない。 急にウェイトトレーニングをやりたくなったのも、ランニングをしてみたくなったのも、老いに対する恐れなのかも。 まぁそれはいい。 いずれにしても、白髪が生えていたのは事実だ。 何で見たのか失念したが、白髪にまつわるこんな言葉がある。 「理想に到達できないことを実感したとき、人は白髪が生える」 ぼくは白髪の世界ではルーキーだけれど、この言葉には合点がいく。 おそらく何かをきっかけにして現実という高い壁が見えるように、あるいは感じられるよう