1日平均約59万人(平成27年度)が利用する都営バスの自動車工場(江東区)が、報道陣に公開された。リフトで持ち上げられた車体、地面をはうように車体下に潜り込む整備員。車体検査やエンジンなどの分解・修理を担うだけでなく、作業効率を上げるために整備工具の自作まで行われる。「ここに『技術の塊』がある」。担当者が自負する都営バスの心臓部をリポートする。(石野哲郎) 正確さとスピード感 タイヤや座席が取り外され、がらんどうになったバスの車体が空中に浮かぶようにリフトによって持ち上げられている。そのすぐ近くでは地面に置かれた車体の下に整備員たちが潜り込み、ブレーキや足回りなどをくまなく調べる。 約1万7千平方メートルという広大な面積を誇る都営バスの深川自動車営業所。その一角に設けられた自動車工場で都が保有するバス約1400台の整備、故障車両の修理を担う。主な整備レーンは6レーン。50人ほどの整備員たち