今回取り上げるのは「住宅」カテゴリー。住宅といっても、居住用か投資用か、新築か中古かなど様々である。ここでは主に新築の注文住宅を例にマーケティング特性を考えていく。 住宅は、商品カテゴリーマトリクスにおける左上「買い回り品×理性的」のポジションに位置する。 注文住宅を購入する人の実に80%が初の住宅購入であり、一生に一度クラスの高額な買い物だ。ゆえに失敗はできず、長い検討期間をかけて、あらゆる選択肢の中から理性的に判断を下す。住宅購入者の検討期間は、「3カ月以上」が80%超、「半年以上」も半数を超える。 住宅は日々の生活クオリティーを直接左右するため、耐震性、気密性、間取りなどの機能面と予算とのバランスをシステマティックに検討する。買い回り品の中でも機能的ベネフィットが特に重要であり、予算内で希望するスペックを満たすことが絶対条件だ。 その上で、安心感や高級感といった情緒的ベネフィット、“