宗教やスピリチュアルやオカルトという精神世界を対象とする思想が、科学の対象である物理的世界について言及する時、科学者は反論することになる。科学の領域を侵したことになるので、科学の存亡にかかわるというのである。 例えば、万有引力の法則があるにもかかわらず、物体を浮遊させた超能力者がいたら、これまでの物理世界の秩序が破壊されることになる。念力という精神的なパワーが物体の法則に例外をもたらしているわけである。これは許せないと思う訳である。 科学者やニセ科学批判者が、宗教やオカルトなどを批判するのは、宗教やオカルトが科学の領域を侵害する場合であるというのである。水伝が批判されるのは、物理世界に精神世界(意味世界)の原理を適用しようとするからである。物理世界は、精神世界とは完全に独立した領域を構成しており、互いに不可侵であるというわけである。 むしろ、精神世界は脳という物理世界がつくりだした幻想であ