菅義偉首相は29日の衆参両院の本会議で、日本学術会議の新会員の任命拒否に関し、会員構成が一部の大学に偏っているなどと繰り返し、改革する必要性を主張した。実際には最も多い東大の会員の割合は減少傾向で全体の2割に満たない。首相は地方の会員が少ないとも指摘しているが、最近は年々増加して関東以外の会員が過半数を占めている。(中根政人) 代表質問では、首相は任命拒否に関して「民間出身者や若手が少なく、大学にも偏りがみられることも踏まえ、多様性が大事であることを念頭に、私が任命権者として判断を行った」と説明した。26日のNHK番組では、会員構成を巡って「地方の会員も選任される多様性が大事だ」とも述べている。 学術会議の大西隆元会長が野党に提出した資料によると、現会員204人のうち、東大の会員数は16.7%の34人で、2011年10月の28.1%から低下。地域別の会員の割合も、関東地方は11年10月に5