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ブックマーク / book.asahi.com (17)

  • 基地のある風景――小泉悠さん・評『世界の基地問題と沖縄』|じんぶん堂

    記事:明石書店 千葉県松戸市六実(むつみ) 書籍情報はこちら のっけから私事で恐縮であるが、評者は千葉県松戸市のはずれにある六実(むつみ)地区で生まれた。海上自衛隊下総航空基地と陸上自衛隊松戸駐屯地のちょうど真ん中に位置し、頭上にはいつもP-3C哨戒機やAH-1S対戦車ヘリコプターが飛んでいるという土地である。さらに南東部には陸上自衛隊習志野駐屯地があり、晴れた日には空挺団のパラシュートが輸送機からパラパラと蒔かれていく様子が小学校の窓からよく見えた。 こうした環境で育った筆者にとって、基地というのはごく普通に存在するもの――日常と非日常で言えば「日常側」の風景であって、そこに何か特別なものを感じたことはあまりない。おそらく多くの六実住人たちにとってもこれは同じであったのだろう。基地が何らかの政治的問題として扱われることはまずなかったし、その存在が意識されること自体があまりなかったように思

    基地のある風景――小泉悠さん・評『世界の基地問題と沖縄』|じんぶん堂
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    dlit 2022/09/08
  • 読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(後編)|じんぶん堂

    記事:幻戯書房 『もう一つ上の日史』と『日国紀』単行・文庫版 書籍情報はこちら 前回の続きです。 「前編」の最後で、私は、『もう一つ上の日史』に対する『[新版]日国紀』の反応を数え上げ、次のように書きました。 採用:300箇所以上 無視:100箇所以上 反論:50箇所以上 (……)(「採用」のカウントについては)助言の他、データの誤りの訂正、込み入ったニュアンスの反映、「〜である」という断言から「〜という説もある」といったトーンダウン、デマエピソードの完全削除、などを含んでいます。 今回はまず、「採用」の具体例をいくつか紹介しましょう。引用文による比較が続くので、記事として平板な印象を与えるかもしれませんが、よーく読んでいただければ、その影響がおわかりになると思います。 実際、どのように「修正」されているのか? さて、「助言」は前回挙げたので、「データの誤りの訂正」から。(以下、

    読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(後編)|じんぶん堂
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    dlit 2022/01/18
  • 読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(前編)|じんぶん堂

    記事:幻戯書房 『もう一つ上の日史』と『日国紀』単行・文庫版 書籍情報はこちら 2021年11月17日、百田尚樹著『[新版]日国紀』(幻冬舎文庫)という(全二冊)が出版されました。三年前に出た同著者による『日国紀』というの文庫版で、カバーや帯、版元の公式サイトには「当代一のストーリーテラーによる日通史の決定版」「知られざる史実と感動の歴史秘話が満載」「満を持して、待望の文庫化!」「大増量150ページ!! 著者こだわりの超大幅加筆により新しく生まれ変わった、令和完全版!」などという、思わず胸が高鳴るような文言が並んでいます。 今年に入り、この文庫(以下「文庫版」)の刊行予告がアナウンスされて以来、私にはずっとその存在が気にかかってきました。というのは昨年(2020)、『もう一つ上の日史 『日国紀』読書ノート 古代~近世篇』『近代~現代篇』という、『日国紀』(以下「元版

    読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(前編)|じんぶん堂
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    dlit 2021/12/22
  • 「沖縄戦の子どもたち」書評 暴力の連鎖の最終地点で散る命|好書好日

    「沖縄戦の子どもたち」 [著]川満彰 1945年3月26日、総兵力18万人の米軍は慶良間諸島に上陸。そこで集団自決が起こる。 「背中から刺し殺し、子どもは肉が薄いのもので[原文ママ]、むこうがわまで突きとおるのです。女の人はですね、上半身裸にして、オッパイを自分で上げさせて、刺したのです。私は[中略]女の人を後ろから支える役でしたよ」(当時14歳だった男性の証言)。「ノブ先生も、カミソリで自分の子どもたちの首を切りました。傷口があさかったせいか、全員無事でしたが、子どもたちはとても痛がって泣いていました」(当時30歳だった女性の証言) これは始まりに過ぎなかった。沖縄戦は最初で最後の住民を巻き込んだ地上戦だった。日軍は10万人余りの第32軍を創設するも、米軍の圧倒的火力の前に撤退を重ねた。土の国体を守る時間稼ぎのために「捨て石」となった肉弾戦の島で、現在でいえば中高生の子どもたちも役所

    「沖縄戦の子どもたち」書評 暴力の連鎖の最終地点で散る命|好書好日
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    dlit 2021/07/05
  • 田中克彦さん「ことばは国家を超える」インタビュー 日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義……ちらばる仲間をつないで|好書好日

    読後、世界の見方が変わってしまうだ。フィンランド語、ハンガリー語、トルコ語、モンゴル語、朝鮮語、そして日語。ユーラシア大陸中心に四方に散らばるこれらの言語が、一つのグループに属するという考えがある。文の構造や表現方法に類似点が見いだせるという。書は、今では下火になったこのウラル・アルタイ語説の水脈をたどる。 「一番書きたかったテーマ」。東京外大でモンゴル語を専攻していた1950年代には、日語の起源をめぐって大いに検証された説だった。だがその後、音韻法則を重視する立場から否定され、言語学の世界でもあまり論じられなくなった。 その研究史は、中央アジアが持つヨーロッパの「影絵」としての哀愁がつきまとう。同じ祖先を持つ似通った言語が集まるヨーロッパで「浮いた」存在だったハンガリーとフィンランドの言語学者たちは、まだ見ぬ仲間を探しにウラル山脈を越えて東へ。ロシアのシベリア研究も、この地域の言

    田中克彦さん「ことばは国家を超える」インタビュー 日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義……ちらばる仲間をつないで|好書好日
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    dlit 2021/06/20
  • 「文部科学省」書評 現場に丸投げ 外から間接統治|好書好日

    文部科学省 揺らぐ日教育と学術 (中公新書) 著者:青木栄一 出版社:中央公論新社 ジャンル:新書・選書・ブックレット 「文部科学省」 [著]青木栄一 今年から予定されていた大学入試改革はなぜ混乱を招いて白紙に戻ったか。 文科省が従来の発想のまま民間委託したのが一因だ。書はこう解答する。 これまで文科省は、入試の実施を大学や入試センターに丸投げしてきた。無理を頼みやすい相手だから「兵站(へいたん)無視の作戦」が可能だった。だが企業が、同じようにコストを度外視して動くはずはない。営利活動への認識も甘く、公正性や利益相反に疑義が生じた。 「ゆとり教育」失敗の一因も、やはり文科省の「資源制約を考えない悪い癖」だった。現場の教員の対応力に全面的に頼ったのだ。 書はこのように構造的な問題に注目して文科省の現状を分析する。強調されるのは、文科省の二面性が生んだ「間接統治」だ。 文科省は教育委員

    「文部科学省」書評 現場に丸投げ 外から間接統治|好書好日
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    dlit 2021/05/02
  • 「生活と結びついた言葉で語る沖縄の現実」 上間陽子『裸足で逃げる』『海をあげる』編集者インタビュー/上|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 書籍情報はこちら 初めての印象は「すごいものを聞いた」 上間さんと初めてお会いしたのは、前の職場で「atプラス」という雑誌をやっていたときです。岸政彦さんに責任編集をお願いして、生活史の特集号をつくったんですね。寄稿いただく方たちとの顔合わせも兼ねて大阪で研究会をしたんですが、そのときに上間さんは完成原稿に近いものを持ってきました。「キャバ嬢になること」っていう、『裸足で逃げる』の頭の原稿です。いま思うとそれに打たれたような気がします。 ――文章の力に圧倒されたんでしょうか 最初は耳だったんですよね。上間さんがその原稿を朗読されて。ひとをいたわるような声というか、とってもいい声で。「すごいものを聞いた」と思いました。『裸足で逃げる』も『海をあげる』も、「聞く」というのがすごく大事なモチーフだと思います。僕の最初の印象も「聞いた、聞いてしまった」というものでした。 語りをなる

    「生活と結びついた言葉で語る沖縄の現実」 上間陽子『裸足で逃げる』『海をあげる』編集者インタビュー/上|じんぶん堂
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    dlit 2020/12/04
  • 「民衆暴力」書評 仁政なき世に人々の怒りどこへ|好書好日

    民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日近代 (中公新書) 著者:藤野裕子 出版社:中央公論新社 ジャンル:新書・選書・ブックレット 民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日近代 [著]藤野裕子 暴力はいけない、それは間違いない。ただ、それだけでいいのか。過去に民衆がふるった暴力を、安易に正当化するのでも、あるいは単に否定するのでもなく、まずは理解し、その上で暴力とは何かを考えようとするのが書である。江戸の百姓一揆を助走に、新政反対一揆、秩父事件、日比谷焼き打ち事件、関東大震災時の朝鮮人虐殺の四つの事件について、最新の研究の知見をもとに詳細な検討が加えられる。 江戸の百姓一揆はやみくもに暴力をふるうものではなかった。訴願を聞き入れられるよう一定の作法があり、領主の側にも百姓の生業を維持する仁政イデオロギーがあった。やがて商品経済が発達する中、作法を逸脱する一揆も出てきたが、明治維新後に起きた新政反対一揆

    「民衆暴力」書評 仁政なき世に人々の怒りどこへ|好書好日
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    dlit 2020/10/19
  • 「韓国がわかる!」つもりになる前に、読んでおきたい7冊 木村幹さん寄稿|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 書籍情報はこちら 「これを読めば韓国がわかる、といったおすすめのはありますか」 大学院入試も近づく今の時期、筆者の所には時々そんな問い合わせが寄せられる。そこで期待されるのは、筆者の専門に近い韓国政治歴史、さらには、歴史認識問題などについて、「これを読めば全てがわかる!」ような、わかりやすく、そしてそれにより頭の中にある問題がみるみる解決するような著作なのだろう。たとえて言うなら、元NHK記者の池上彰氏がニュースショーでやって見せているような、「そうだったのか!」と膝を叩ける、そんなわかりやすい解説である。 しかしながら、そんな人々の期待を、筆者の答えはほとんどの場合、裏切ることになる。何故ならば「これを読めば韓国がわかる!」ような、決定的な著作など最初からあるはずもないからだ。 「○○がわかる」と思う前に それは、例えば韓国を我が国に置き換えてみればわかる。

    「韓国がわかる!」つもりになる前に、読んでおきたい7冊 木村幹さん寄稿|じんぶん堂
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    dlit 2020/07/13
  • 「もう一つ上の日本史」書評 旧説・俗説の問題点 丁寧に指摘|好書好日

    もう一つ上の日史 『日書記』読書ノート・古代~近世篇、同・近代~現代篇 [著]浮世博史 一昨年刊行された百田尚樹氏の歴史随筆『日国紀』は、大ヒットの半面、事実誤認、誤解を招く記述、極端な解釈などが、評者を含め各方面から指摘された。中でも注目されたのが、現役の歴史教師である著者が「こはにわ歴史堂のブログ」で連載した『日国紀』批判で、その記事は200を超えた。書はその書籍化である。 『日国紀』の膨大な間違いを一つひとつ俎上(そじょう)に載せると細かくなりすぎてしまい、揚げ足取りと非難されがちだ。ただ『日国紀』は、一般読者が陥りやすい勘違いや、世間で流布する雑学風の「物語」を多く含んでおり、これらを訂正することは百田氏への攻撃ではなく、社会的意義を持つ教育活動である。 書は、「遣唐使の廃止によって大陸からの文化の流入が止まり、日独自の文化が生まれた」「元禄時代の荻原重秀はケイン

    「もう一つ上の日本史」書評 旧説・俗説の問題点 丁寧に指摘|好書好日
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    dlit 2020/06/13
  • ダニエル・キーツ・シトロン『サイバーハラスメント』  ――いま、被害事実に向き合うとき|じんぶん堂

    記事:明石書店 ダニエル・キーツ・シトロン著、明戸隆浩・唐澤貴洋・原田學植監訳、大川紀男訳 『サイバーハラスメント』(明石書店) 書籍情報はこちら 事実確認のもつ意味 書は法学者ダニエル・キーツ・シトロンによるものだが、法学者の手によるというイメージに反して、多くの事例がきわめてリアルに書き込まれている。後半で展開される法的な議論はもちろん重要だし、そこがこのの核心であることは言うまでもないが、とはいえ事例中心に読んでいってもこのの価値は十分に感じられるだろう。 実際日の文脈で考えても、今回の木村さんの事件以前にも同様の事件はこの間数限りなく繰り返されてきた。しかし、それぞれの事件についての詳細が広く共有されているわけでは必ずしもなく、とくに今回の木村さんの事件のように最悪の結果に至らない場合、多くの人の記憶に残るのは「ああなんかあの人ネットで叩かれてたよね」くらいのものであった

    ダニエル・キーツ・シトロン『サイバーハラスメント』  ――いま、被害事実に向き合うとき|じんぶん堂
  • 「ブラタモリ」で紹介できない京都を歩く 京大・高木博志教授の「ブラタカギ」、裏歴史に目背けず|好書好日

    「性や死を隠蔽した観光言説がなにをもたらすのか、考えて」 年間5千万人以上が訪れる京都市は、観光都市として世界的成功例だ。芸妓(げいこ)舞妓(まいこ)の「もてなし文化」など、イメージ作りのうまさが際立つが、一風変わった“観光ツアー”もある。京都大学人文科学研究所の高木博志教授の「ブラタカギ」は、学生や教職員をガイドする人気授業。「歴史は正も負も複眼的にみる必要がある。(テレビの)ブラタモリでは絶対紹介できない京都を歩きます」とは高木さんの前口上である。 この日は新京極から鴨川の河原に隣接する歌舞伎の南座、祇園をへて、豊国神社へと南下するコースだ。おしゃれな繁華街・新京極は、寺院が並ぶ寺町に隣接する。「寺とはかつて興行の場でもあった」と高木さんは言う。江戸時代の寺院境内の興行は、明治維新後、常設の興行地域に変貌(へんぼう)する。明治時代に歌舞伎や浄瑠璃や寄席、大正・昭和に映画館と、時代に応じ

    「ブラタモリ」で紹介できない京都を歩く 京大・高木博志教授の「ブラタカギ」、裏歴史に目背けず|好書好日
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    dlit 2019/09/03
    「「負の歴史は観光資源にならないと思われている。しかし性や死を隠蔽した観光言説がなにをもたらすのかを、考えてほしい」歴史を自分の見たいようにみる。それを補強するだけなら、観光は不健康だ。」
  • 北村紗衣さん「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」インタビュー 目からうろこのフェミニスト批評集|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 北村紗衣(きたむら・さえ)武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授 1983年、北海道士別市生まれ。専門はシェイクスピア、フェミニスト批評、舞台芸術史。東京大学の表象文化論にて学士号・修士号を取得後、2013年にキングズ・カレッジ・ロンドンにて博士号取得。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち──近世の観劇と読書』 (白水社、2018)、訳書にキャトリン・モラン『女になる方法──ロックンロールな13歳のフェミニスト成長記』(青土社、2018)など。 傑作とされる古典がつまらなかった ――フェミニスト批評とは何でしょう? フェミニスト批評はこれまでの批評が実は男子文化だったことに立脚しています。つまり、批評の歴史を振り返ると、男性中心的な社会の中で、男性向けに作られたものを男性の視点で読む。それが普遍的な解釈だとされてきました。 日の近代文学もそうで、たとえ

    北村紗衣さん「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」インタビュー 目からうろこのフェミニスト批評集|好書好日
  • 開沼博「はじめての福島学」書評 データを共有し「イメージ」正す|好書好日

    はじめての福島学 [著] 開沼博 東日大震災の年に『「フクシマ」論』で衝撃のデビューを果たし、以後、被災地の「内側」からのメッセージを全力で発信し続けてきた著者の、震災から4年目にしての新境地。 元来彼は質的な調査を身上としてきた人だが、このではたくさんの統計データをもとに、一部で流布している福島のイメージがいかにズレているかを分かりやすく解説している。たとえば、福島県は農業県のイメージがあるが、実は一次産業従事者は1割以下で、二次産業が3割、三次産業6割である、など。 研究者が自分のスタイルを変えるというのは、相当な覚悟と努力が必要な一大事である。そんな「変身」を開沼にもたらしたのは、震災後4年間の経験だったようだ。全国各地での講演会やメディア出演の際の反応は、福島の姿がほとんど知られていないという現実を、彼に突きつけた。 基的に前向きのトーンを保ってはいるものの、行間からは、開沼

    開沼博「はじめての福島学」書評 データを共有し「イメージ」正す|好書好日
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    dlit 2015/06/03
    「開沼が提案するのは、科学的な前提にもとづく限定的な相対主義である。…。基本的なことである。だが、それすらできなくなっているとは、ぼくたちは、なんと狭量な人間になってしまったのだろうか」
  • 「日常に侵入する自己啓発」書評 片づけも儀式、流行が社会を映す|好書好日

    日常に侵入する自己啓発 生き方・手帳術・片づけ 著者:牧野 智和 出版社:勁草書房 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション 日常に侵入する自己啓発―生き方・手帳術・片づけ [著]牧野智和 自己啓発書は実に幅広い。仕事術はもちろん、何歳までにこれをしようと煽(あお)る「年代」に、上手な時間管理を促す「手帳術」。さらには、人生さえも変えるという「片づけ術」。共通しているのは、成功もスキル獲得も、人の努力や自己管理によって達成できるとささやくことだ。家庭環境や今置かれている状況などは無視し、「たった一つの習慣」や「気持ちひとつ」で人生が変わると説く。 無論、ほとんどには科学的根拠がなく、筆者の体験談を元に、キャッチーなフレーズを駆使して読者のハートを揺り動かす。その「胡散(うさん)臭さ」にツッコミを入れるのもいいだろう。とはいえ、これだけの自己啓発書が流通するということは、相応の社会的機

    「日常に侵入する自己啓発」書評 片づけも儀式、流行が社会を映す|好書好日
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    dlit 2015/05/28
    データはまだきちんと取ってないけど、文章表現法や文章作成術の本にも自己啓発的な要素って色々紛れ込んでることがあると感じる。
  • 【レビュー・書評】かけ算には順序があるのか [著]高橋誠 - 書評 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    かけ算には順序があるのか [著]高橋誠[評者]福岡伸一(青山学院大学教授・生物学)[掲載]2011年7月10日著者:高橋 誠  出版社:岩波書店 価格:¥ 1,260 ■思想史的な問いかけ、なのだ 今、小学校では、「6人に4個ずつミカンを配ると、ミカンは何個必要ですか」という問題に、6×4=という式を書くと、バツにされてしまうという。「教師用指導書」には、かけ算の式の順序を教えるように、と明記されているのだ。かけ算とは、「ひとつ分の数」×「いくつ分」によって「ぜんぶの数」を求める操作であり、順序の理解は、かけ算の導入期のルールとしてぜひ必要なのだという。つまり4×6が正解。 著者は文学部卒。この考え方にひっかかりを感じ、算数教育歴史をひもといてみた。議論は実に40年ほど前から繰り返されており、今もネットで父母、教師を巻き込んで継続中。古くは数学者、遠山啓、矢野健太郎、森毅なども活発に発言

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    dlit 2011/07/14
    誰かと思ったら評者:福岡伸一
  • asahi.com:日本語と日本思想 本居宣長・西田幾多郎・三上章・柄谷行人 [著]浅利誠 - 書評 - BOOK

    語と日思想 居宣長・西田幾多郎・三上章・柄谷行人 [著]浅利誠 [掲載]2008年03月30日 [評者]野口武彦(文芸評論家) ■助詞「は」から見える巨大な問題領域 最近の話し言葉で、ふつう「である」と結ぶところをデハアル、「にある」をニハアル、「と思う」をトハ思ウと表現する言い方が広まったように感じるのは、書評子の僻耳(ひがみみ)であろうか。助詞ハのこの新奇な用法は、書が《日語と日思想》という巨大な問題領域に向けているレーダーの画面で、何かを告げて点滅する輝点なのではないだろうか。 未踏の地の探索は、学校文法では係り助詞と教えられるハをもっと「怪物的な何ものか」ととらえる問題設定に始まる。 サブタイトルに並ぶ居宣長・西田幾多郎・三上章・柄谷行人の名前は、一定の論理で配列されている。書のテーマは、柄谷が提示した《「近代の超克」をいかに乗り越えるか》という課題を日語文法論

    dlit
    dlit 2008/04/02
    最近人気だなあ三上章/また怪しい日本語文法学説史を振りまく本ではありませんように。気が向いたら読む…かなあ。
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