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ブックマーク / honyakumystery.hatenadiary.org (14)

  • 初心者のためのエラリー・クイーン入門 【前篇】 (執筆者・飯城勇三) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    1 いつ読むの? 今でしょ! 今、エラリー ・クイーンがブームです。 アメリカでは、2012年にマンフレッド・リーとフレデリック・ダネイの書簡集が、2013年にはF・M ・ネヴィンズの『エラリイ ・クイーンの世界』の増補改訂版が刊行。2014年にはクイーンの書誌研究が予定されています。著作は電子化が進み、TVドラマ 「エラリー ・クイーン」は2010年にDVDになりました。 日では、東京創元社と角川書店が競うように初期作の新訳版を刊行中。この角川書店、それに早川書房はクイーン作品の電子化も進めています。論創社の〈EQコレクション〉は読者の熱意に支えられ、ラジオドラマ集、TVドラマ集、評論、パロディ集と、マニアック路線を爆走中。麻耶雄嵩『隻眼の少女』、法月綸太郎『キングを探せ』『犯罪ホロスコープ』、青崎有吾『体育館の殺人』といった、クイーンに挑んだ作もいくつも出ています。TV版『Yの悲劇

    dobe365
    dobe365 2013/08/23
  • デジタルデジタルごこうのすりきれ(執筆者・中山宥) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    えー、“日語の文体”とかけましてぇ、“これからの高齢化社会”と解きます。その心は……“ふくし(副詞/福祉)が肝心”。 以前、翻訳したに、マイケル・ルイス『コーチ』というのがありまして。今は絶版になっておりますが、いずれ復刊されるかもしれません。 じつは、当初刊行された翌年の春、二つの私立中学の国語入試問題で、このの一部が取り上げられましてね。わたしはすっかりぬか喜びして、「参ったなあ。子供たちが見習うべき名文として目を付けられちまったか。どぅれ、どんな問題だろう?」と、眺めたとたん……血の気が引きましたな。 あっちこっちの副詞が空欄になっていて、「以下に挙げた文章を読み、カッコ内に適当な副詞を入れなさい」なんて書いてある。 ♪もしかしてだけどォ ♪もしかしてだけどォ これって「以下に(槍玉に)挙げた文章を(失笑を押し殺しつつ)読み、カッコ内に(あまりにも陳腐な使われ方の)適当な副詞を

    デジタルデジタルごこうのすりきれ(執筆者・中山宥) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート
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    dobe365 2013/07/22
  • デジタルデジタルごこうのすりきれ(執筆者・中山宥) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    えー、世の中には、NO MUSIC, NO LIFEなどいう乙なフレーズがあるそうで。NO MONEY, NO WIFEなわたしのような無粋者にとってさえ、音楽とはまことに結構なものですな。 じつは来月、音楽の起源に迫るという科学系の翻訳書を刊行させていただく予定になっております。『〈脳と文明〉の暗号』と、たいそう立派なタイトルの読み物ですが、これがわたしとしちゃ今年の訳書の出し納め。「へえ、もう納めちまうのかぃ。よっ、この納め上手!」って、んなこたぁ、ほっといて頂いてですね、このの中に、Google絡みでちょいと面白い考察が出て参ります。 “音符”というキーワードで画像検索をしたら、どんな画像がヒットすると思うか、と。 「そりゃまぁ、真面目な楽譜とかじゃないの?」って気がしませんか? 実際の検索結果はここをクリックしてみてください。 ははぁ。音符って、確かに、くねくね曲がって描かれる場

    デジタルデジタルごこうのすりきれ(執筆者・中山宥) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート
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    dobe365 2013/07/22
  • デジタルデジタルごこうのすりきれ(執筆者・中山宥) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    えー、今月これから4回ほど、ばかばかしいお話をさせていただくことになりました中山宥と申します。ひとつよろしくお願いいたします。 とは言いましても、わたしが翻訳したミステリーは、ドン・ウィンズロウの“生涯サーファー、ときどき探偵”シリーズ2冊だけと、いやはや寂しい限り。このサイトにいらっしゃるミステリー痛、いえミステリー通の皆さんにお伝えすることは、正直、何ひとつございません。 それでもどうにか、無い知恵を絞りまして。おっとそうそう、ミステリーじゃあなくデジタル関連の話題なら、多少のお役に立てるかもと、まあ、そのあたりにお付き合いいただこうかと思います。 なにしろ、わたしの翻訳力はからっきし進化しませんが、デジタルツールというやつは日々進化しますな。だからって動向を逐一追いかけている余裕もありませんので、翻訳や執筆の作業にえらく便利なサービスが登場しても、しばらく気づかず、「ええっ、そんなの

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    dobe365 2013/07/22
  • 第十だらだら(空港管制官はどうしゃべる?) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    プライベートのほうで(まるで消火器詐欺みたいな書き方ですが)いろいろとあったものだから、まるまる一年あまりもこのコラムをお休みしてしまった。もう死んだのかな、と思った読者も多かったでしょう。安心してください、まだしばらくは生きてます。 ま、それはこっちへ置いといて……。 まず、最初に断っておかなくてはいけないが、わたしはの虫である。といっても、前世が紙魚であるとか、ご先祖様がダイオウグソクムシだとか、そういう話ではない。子供の頃からが好きで、図書館に入り浸って日小説も外国の小説もずいぶん読んでいた。純粋に経済的な問題を別にすれば、を買うことにためらいはない。 だからというわけではないが、まだ駆け出しの翻訳者時代、航空パニック小説をはじめて訳すにあたって、とにかく参考書を買いこんだ。当時はインターネットなどまだ影も形もなかったので、調べ物をするなら図書館に行くか、専門書を買いこむし

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    dobe365 2013/06/26
  • 扶桑社発のひとりごと 20101105 (執筆者・T) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    第1回 このところの翻訳ミステリーの充実ぶりは、すごいですねえ。各社、強力なラインナップで、すばらしいかぎりです(われわれ扶桑社も、残念ながら数は減っていますが、鋭意努力中)。 ところが、それにもかかわらず、翻訳ミステリーは元気がないのだと言われています。おかしいですよね。これだけ良質な作品が読めるというのに、なぜ「不況」呼ばわりされるのでしょう? あるいは「出版不況」が問題なの? そこで、その「翻訳出版」という産業の根について考えてみよう、というのが、今回のわたしの企画です。意外に知られていない(かもしれない)ビジネスとしての出版について、版元の側からご説明してみたいのです。 もちろん、おなじ出版社のかたでもちがう考えもあるでしょうし、あるいは、版元から見た一面的な話に思われるかもしれません。それでも、話のとっかかりになればさいわいです。 というわけで、まずは「出版業」の大枠から押さえ

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    dobe365 2013/01/30
  • 扶桑社発のひとりごと 20120120(執筆者・扶桑社T) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    第22回(最終回) さて、このコーナーでは、翻訳出版の現場について、あれこれと紹介してきました。 書籍の利益構造にはじまり、原書の選択と取得、海外の出版事情、著作権などについて裏話をつづけてきましたが、翻訳編集者の具体的な仕事をご説明したところで、ひと区切りという感じ。今回が、とりあえずの最後ということになります。 あらためて「編集」という言葉について考えれば、辞書的には「ある方針にもとづいて材料を集め、記事や書籍などを作ること」と定義されています。 翻訳出版においては、「ある方針にもとづいて材料を集める」という部分は、訳すべき原書を決め、読者にどうアピールするかを練り、売りかたを考えるという作業に相当します。いわば「頭」を使う仕事ですね。 定義後半の「書籍などを作る」という部分は、活字組みを作り、体裁を決め、校正をするといった実際的な仕事にあたるでしょう。これは「手」を使う、面倒で泥くさ

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    dobe365 2013/01/30
  • 翻訳ミステリー長屋かわら版・第42号 - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    田口俊樹 近所の「松屋」でオリジナル・カレーべて店を出ようとしたときのこと。 片言の日語で「あしたやりますか?」と呼び止められました。振り向くと、フィリピン人の女性店員(名札が胸についているのだけれど、名前がどうしても覚えられない)が笑顔で私を見ています。え? と思ったけれど、それ以上何か言うふうでもなかったので、いい加減に愛想笑いを返してそのまま店を出ました。 これが夜中のフィリピン・パブ(懐かしい!)から出るところで、声をかけてきたのが妙齢のフィリピン美人なら、そりゃ、あなた、私だって妄想の権化と化していたでしょうが、なんせ真っ昼間の「松屋」ですからね。加えて、この女性店員、妙齢とは言いがたく、その、なんというか、失礼ながら、妄想とは結びつかないタイプだったんで、とにかく不可解だったわけです。 でも、この謎はそれからしばらくしてまた行ったときにあっさり解決しました。このフィリピン

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    dobe365 2013/01/25
  • 調べものをめぐる私的あれこれ(執筆者・匝瑳玲子) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    初めて翻訳の仕事をいただいたのは、十五年前のことだった。緊急医療にたずさわる医師たちが文章を寄せたエッセイ集の共訳で、二十一篇のうち、わたしは四篇を担当することになった。一般読者向けのなので、ものすごく専門的というわけではなかったが、ちょっとした表現や単語から緊急救命室(ER)の切迫感や喧噪が生々しく伝わってくる作品ばかり。米国のテレビドラマ『ER緊急救命室』がNHKで放映されていた時期でもあり、できるかぎり「それらしく」翻訳するという暗黙のハードルが、わたしにはとてつもなく高く感じられたものだった。 医学に関することは、念には念を入れて調査をしても、最後まで疑問というか不安というか、そういうもやもやとした気持ちが残ってしまうことが多い。調べものの付け焼き刃では、医学用語や医学的な言い回しを文脈としてとらえることが難しいからだ。この医療エッセイ集のときも例外ではなく、仕事として提出するま

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    dobe365 2012/10/16
  • 在外翻訳者の憂鬱(執筆者・栗原百代) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    2 モノとしての(後)からモノ以上としてのへ どうも。今日も湿気ずぶずぶの香港より、在外翻訳者の栗原百代です。 こちらに来てがっかりしたのは、市街地では業務用を除いて自転車走行が不可なこと。まあ、四輪車はやたら多いし警笛ガンガン鳴らすし、たしかに危なそう。東京にいたとき気分転換にサイクリングしていたぶん、こちらでは歩いてます。 テレビのCM明けみたいですが、前回の続きから。 それでも、新刊が市場に出まわっているはまだよいのです。というのも―― 国内の翻訳者のみなさんも苦労されるのが、必要な資料が「絶版」や「版元品切・重版未定」状態となり、中古市場でプレミア価格がついてしまっているケース。 栗原としては、日に一時帰国して図書館に行けるなんて、いったいいつのことやら。どうせ新刊の送料で痛んだふところだぁ、矢でも鉄砲でも持ってこい、と意を決するも(基的に日円で4桁なら買いますが

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    dobe365 2012/05/15
  • 翻訳書生気質(執筆者・西崎憲) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    3 誤訳 人における死のように翻訳者における誤訳は必然である。翻訳をやる者たちのただの一人も誤訳から逃れることはできない。 たぶんそう言い切ってもいいと思う。もちろん複数で臨むという場合にはだいぶその割合を小さくできるかもしれないが。 第三回のテーマは翻訳者につきまとう影もしくは宿痾といった趣の「誤訳」である。 永年に渡って少なくない数の翻訳者が誤訳に関する書籍を著してきたが、誤訳への特効薬的な対策がないことは明らかになるばかりである。 しかし、誤訳はもちろん主に知識の不足から生じる。知識を増やしていくごとに誤訳が減っていくこともまた確かなので、その点で誤訳に関するは掛け替えのないものであり、翻訳を仕事とする人間は刊行されているものにはすべて目を通すべきではないだろうか。 私自身が翻訳を勉強中にとくに恩恵を受けたと感じたのは、別宮貞徳さんの「欠陥翻訳」シリーズ、 中原道喜『誤訳の構造』、

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    dobe365 2012/05/03
  • 言葉のまわりで(執筆者・古屋美登里) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    第2回 倉橋由美子と翻訳の文体 に携わっている方は多かれ少なかれ文学的出会いというものを経験していると思います。わたしの場合、最大の「文学的出会い」は、高校二年生のときに倉橋由美子という作家を知ったことでした。 六歳上の従姉に勧められて『暗い旅』『夢の浮橋』『聖少女』を立て続けに読み、毒をあおったような激しい衝撃を受けました。濃密な文章が、官能的な言葉が、血管に入り込んできて心臓を貫き、脳細胞を染め変えていくような感じがしました。そして、これまで読んできた数多の小説が一挙に色褪せて見えたのです。 それまで作家に手紙を送るなどということは考えもしなかったのですが、その時ばかりは居ても立ってもいられなくなり、拙い感想文のようなものを書いて送りました。それがきっかけで十九歳の時からご自宅に伺うようになりました。「私の作品など読まなくてもいいから、古典作品を読みなさい」とよく言われましたが、その

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    dobe365 2012/02/13
  • 第九だらだら(AKBファンの気持ちがわかるとき) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    半年以上のご無沙汰になってしまった。別に大病をしたとか刑務所に入っていたとか、そういう訳ではないからご安心を。まあ、誰も心配していなかっただろうが。今回はちょっと趣向を変えて雑談を。もっとも、いつも雑談といえば雑談なのだが。 今回は「翻訳者って、どこまでやらなきゃならないの?」ということ。 ずいぶん前の話だが、警察の用語集を作ったことがある。えーと、いつのことだっけと考えなければ思い出さないほど昔の話。結局、考えても思い出せなくて、棚を引っ掻き回してしまったんだが。 わたしが某社編集者から、とある翻訳を依頼されたと思ってほしい。あいまいな書き方をしたのは忘れたからじゃなくて、いろいろ差し障りがあるから。それはニューヨークの警察官が主人公のシリーズなのだが、なんとシリーズの第二作目だった。実は一作目は他の翻訳者の手になるものが間もなく出版されるのだが、あまり出来が良くないので翻訳者を変える

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    dobe365 2012/01/10
  • 扶桑社発のひとりごと 20110722(執筆者・扶桑社T) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート

    第16回 前回は、古い作品の翻訳出版をする場合、翻訳権をハンドルできる人をどうやって探すかについてお話ししました。 いまさらですが、そもそも翻訳権とはなにかをおさらいすることにしましょう。 翻訳権とは、著作権の一部です。 著作権については、いまさらご説明をするまでもないでしょう。なんらかの著作物を作った人が保有する権利のことですね。 では、その著作物とはなにかというと、たとえば日の著作権法ではこう定義されます。 「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」 文章の前半から、思想ないしは感情が基礎にあるということと、創作的であるということと、表現であるといった側面が読みとれます。 ですから、「何月何日何時ごろ、なんとかさん宅から火が出て全焼した」などという新聞記事は、事実をたんに記述しただけで、思想・感情や創作性が認められないため、著作物

    扶桑社発のひとりごと 20110722(執筆者・扶桑社T) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート
    dobe365
    dobe365 2011/07/22
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