最小の生物で肺炎などの病原菌としても知られるバクテリアの「マイコプラズマ」が、足のような突起を使って一歩一歩、動くことを学習院大の西坂崇之教授らの研究チームが発見した。感染の仕組みの解明や、新たな治療薬開発への応用などが期待される成果という。米科学誌に論文が掲載された。 マイコプラズマは体長約1千分の1ミリ。感染した細胞の表面上を滑るように素早く動くことで知られる。数百本ある長さ約50ナノメートル(ナノは10億分の1)の突起状の“足”を使うとされていたが、詳しいメカニズムは不明だった。 研究チームは高精度な光学顕微鏡とカメラを使い、ガラス板の上に置いたマイコプラズマの動きを、つぶさに観察。前進と停止を繰り返しながら、足1本当たり約1万分の1ミリの歩幅で歩いていることを突き止めた。生体内を歩くように動くタンパク質と比べて歩幅は大きく、歩行距離から毎秒50回程度、足を動かしている計算になり、素